トップページ > なっとく法律相談 > 勤務中の事故の後遺症を苦にした自殺で労災認定はされないか?
なっとく法律相談 2002年3月19日 更新
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父は自動車学校に勤めていましたが、自動車学校コース内にて初心者運転の危険回避訓練中、コース中央に立って指示をしていたところ、指導員の補助ブレーキ操作の遅れにより跳ねられてしまいました。後遺症が残ってはいたものの、労災事故としては3ヶ月入院が限度であったため一時退院しましたが、その3日後、後遺症を苦に自殺してしまいました。
このような場合、労災死亡または会社に対して損害賠償を請求できないのでしょうか?
(30代前半:女性)
労働者災害補償保険法12条の2第1項は、「労働者が、故意に負傷、疾病、障害若しくは死亡又はその直接の原因となった事故を生じさせたときは、政府は、保険給付を行わない」と定めています。これによれば、原則として自殺は労災保険の給付の対象とならないことになります。
しかし実務上、限定的にですが、自殺を給付対象とする場合を認めています。
厚生労働省労働基準局の「心理的負荷による精神障害等に係る業務上外の判断指針」によれば、
という3つの要件をみたせば、自殺の原因となった精神障害が業務上の疾病にあたり、労災認定されることになります。
以上が一般論ですが、業務上の傷病により療養中の者が極度の苦痛等、病状の急変などによって精神障害を発病し、自殺にいたった場合には、3. の要件、すなわち、特段の業務以外の心理的負担がなく、かつ、特段の個体的要因(精神障害の既往歴や性格など)がない場合には、業務上の疾病にあたり、労災認定がなされることになります。また、これらの要件を欠く場合でも、総合的に判断し、業務が自殺の有力な原因となっている場合には労災認定がなされます。
以上のように、自殺であっても労災の適用がある場合がありますので、お父さまが勤務されていた事業所を管轄する労働基準監督署に相談されてはいかがでしょうか。なお、葬祭料については2年、遺族給付については5年で時効になりますので、注意してください(労働者災害補償保険法42条)。
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