トップページ > なっとく法律相談 > 誤って支払いを受けた貯金を使ってしまったが…
なっとく法律相談 2002年5月13日 更新
トラックバック(0件) ブックマーク:
(0)
(0)
(0)
平成9年に農協より100万円満期でどうしますかの問い合わせがありました。心当たりがあったので手続きを踏み、現金でおろしたのですが、平成14年3月15日に農協より別な人の分なので返してほしいとの指示がありました。農協が同姓同名のため間違えたとのことです。
100万円は現在使用して手元にないので、返すにも困っています。
返す場合、全額なのか、また月々でいいのか、または返す必要がないのか教えて下さい。
(40代:男性)
ご相談のケースのように、法律上の原因がないのに他人の財産または労務によって利益を受け、そのため他人に損害を及ぼす行為を不当利得といいます。
不当利得によって得られた利益は、本来、他の人のものなのですから、返還しなければなりません。ただ、法律上の原因がないことについて知っていたか、知らなかったかによって返還しなければならない利益が異なります。
法律上の原因がないことを知らなかった場合には、利益の存する限度で返還すればよいとされています(民法703条)。つまり、現在残っている分を返還すればよいということです。ただ、金銭の不当利得の場合には、その金銭の消費によって何らかの債務を免れていますから、この「債務を免れた状態」によって経済的な利益を受けているといえ、その分も「利益の存する限度」に含まれます。
他方、法律上の原因がないことを知っていた場合には、受けた利益に利息をつけて返還しなければなりません(民法704条)。
以上より、あなたが貯金の支払いを受ける理由があると思っていた場合には、利益の存する限度で返還すればよいことになりますが、上で述べた通り、金銭の不当利得の場合には、仮に使ってしまった場合であっても、原則として返還の義務が生じることになります。つまり、あなたは100万円全額を返還しなければならないわけです。これは、相手方に過失がある場合でも同様です。
ただ、あなたのケースの場合、もともとは農協側のミスですから、交渉によっては分割返済なども認められうるのではないでしょうか。
集計期間: 2008年11月23日-11月29日
![]() | Amazon世界のとんでも法律集 (中公新書ラクレ) |