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なっとく法律相談  2002年8月13日 更新

遺留分減殺請求の流れ

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Q.

 私の妻は兄2人、姉1人の四人兄姉で、父が先日に亡くなりました。
 どうやら、長兄が亡父から全財産につき生前贈与を受けているようです。遺留分という言葉を聞いたことがありますが、この場合長兄に対して請求することは可能でしょうか。可能であれば請求の流れはどのようになるのでしょうか。

(50代:男性)

A.

 遺留分というのは、相続財産のうち、被相続人が一定の相続人に遺留しておいてやらなければならない財産部分のことです。これは、本来自由である遺言による財産の分配について、遺族の生活の保障の観点から、修正を加えたものです。

 遺留分権利者となるのは兄弟姉妹以外の相続人、つまり、被相続人の子、直系尊属、配偶者です。そして、遺留分の割合は、直系尊属のみが相続人であるときは、被相続人の財産の3分の1、その他の場合は、被相続人の財産の2分の1となっています(民法1028条)。
 したがって、あなたのケースでは、お父さんの相続財産の2分の1が遺留分ということになります。

 もっとも、あなたのケースのように、被相続人の生存中に財産を贈与してしまった場合、遺留分の制度が骨抜きになってしまいます。そこで、民法は相続開始前の1年間にした贈与についても、遺留分算定の基礎となる財産に算入することにし、それ以前のものについても、当事者双方が遺留分権利者に損害を与えることを知ってなした場合には、算入することとしています(民法1030条)。
 たとえば、被相続人が死亡したとき、財産が200万円あり、半年前に長男に対して600万円の生前贈与があったとすると、遺留分算定の基礎となるべき財産は、800万円となり、相続人の遺留分は、その2分の1である400万円となります。そして、遺留分権利者が複数いる場合、全体の遺留分の率に、遺留分権利者各々の法定相続分の率を乗じたものが個々の遺留分権利者の遺留分となります(民法1044条900条)。
 よって、あなたのケースでは、個々の遺留分権利者の遺留分は100万円ということになります(すでに母親が亡くなっている場合)。そして、実際に受けた相続の金額は、50万円ですから、遺留分との差額である50万円について生前贈与の600万円から取り戻すことができます(これを「遺留分の減殺(げんさい)」といいます)。

 前置きが長くなりましたが、遺留分の減殺を請求するためには、特別な手続は必要ありません。また、遺留分権利者が各自で請求することができます。
 したがって、各遺留分権利者が遺留分を減殺するという意思表示を行えば効力が生じるわけですが、この意思表示は法律上、大きな意味を持つ意思表示ですから、配達証明付きの内容証明郵便で行ったほうがよいでしょう。
 内容としては、被相続人誰某の死亡によって発生した相続に関し、相手方がこれこれの贈与を受けたこと、その贈与遺留分権利者である自分の遺留分をこれこれの限度で侵害するものであること、よって当該贈与につき減殺を請求するということが明確に記載されている必要があります。

 遺留分減殺請求を受けた者は、その対象となった物を返還するか、減殺を受けるべき限度において価額を弁償することになります(民法1041条)。また、目的物が第三者に処分されてしまった場合であっても、受贈者は価額を弁償することになります(民法1040条)。

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