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なっとく法律相談  2002年8月26日 更新

研修費用の返還義務

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Q.

 私はこの春新入社員になった者なのですが、会社の研修に入る前に『覚書』なるものを書かされました。その内容は、研修期間(3週間)の間研修奨励金を支払うが(総額で20万)、2年未満の期間で自己都合退職をした場合には20万円の養成料の支払い義務が生じるというものです。
 私の入った会社はパソコン指導をする会社で研修の際に、ある程度の知識を教えてもらいましたがこのような養成料を支払わなければならないのでしょうか?
 まだ入って3ヶ月なのですが売上優先主義の会社に嫌気がさし、退職を考えているのですが、研修時に書かされた『覚書』の存在が気になって仕方がありません。
 研修の際、「この『覚書』にサインしないと研修を受けさせられない」と言われ、仕方なくサインしました。この書類が有効だとしたら2年未満で辞めるときには20万円を支払わないといけないのでしょうか?

(20代前半:男性)

A.

 労働契約の不履行について違約金の定めや損害賠償の予定をすることは禁じられています(労働基準法16条)。

 本件の場合、覚書が同条に反するかが問題となりますが、

  1. 会社の返還請求額が合理的な範囲の実費であること
  2. 研修費用が使用者による立替金と認められること
  3. 免除までの要就労期間が1年という短期であること

の要件を満たすケースにおいて、「労働者に対し使用関係の継続を不当に強要するものとは考えられない。」として、会社の返還請求を認めた裁判例があります。

 あなたのケースがこれにあたるかは、詳しい事情がわかりませんので、正確なことはいえませんが、1.「この『覚書』にサインしないと研修を受けさせられない」と言われていること、2.免除までの要就労期間が2年と長いことから、上記裁判例の要件を満たしておらず、会社は研修費用の返還を求められないと考える余地もあります。

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