トップページ > なっとく法律相談 > バス通勤で交通費申請して自転車通勤。問題ない?
なっとく法律相談 2002年11月26日 更新
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会社から最寄りのバス停から会社までのバス代金を交通費として受け取っています。しかし、バスの時間が遅れることがあり、自転車でも通勤できる距離なので、普段は自転車で通勤しようと考えています。何か問題はありますか?
(30代前半:女性)
バス通勤と会社に申告していているのに、自転車通勤を行った場合、問題となるのは、
の3点だと思われます。
まず、1. の点ですが、労働基準法上、交通費(通勤手当)については定めがなく、生活補助的な賃金の一種と考えられています。したがって、交通費の支給額・範囲については、それぞれの会社の規定で自由に定めることができます。
そこで、就業規則等で、「交通費はバス通勤の場合は…○○円、電車通勤の場合は…○○円を支給する」という具合に、利用する交通機関毎に支給額が決められている場合は、申告した通勤手段以外の手段(バス通勤と申告していて自転車通勤するような場合です)は、賃金の過払いとなり、過払いの部分は不当利得(民法703条・704条)として、返還の義務が生じます。
これに対して、「交通費は、最寄りの公共交通機関を利用した場合の額を支給する」という内容の規定の場合、交通費は交通機関の料金の支払いではなく、通勤という行為に対して支払われる賃金であり、その計算方法が便宜的に公共交通機関の料金を利用しているだけと考えられます。この場合、同じような通勤距離で賃金に差を設けるのは好ましくありませんから、交通手段にかかわらず同じ距離なら同じ交通費と考えるのが一般的です。したがって、この場合には交通費の返還義務はないと思われます。
ただし、これらは一般的な解釈ですので、会社とよく相談してください。
次に、2. の点についてですが、会社が懲戒をするためには、就業規則等であらかじめ懲戒の種類や懲戒に該当する内容を決めておく必要があります。
そこで、バス通勤と申告していて自転車通勤した場合ですが、会社に対する虚偽申告であることは間違いありません。そして、この虚偽申告が就業規則の懲戒規定の項目に含まれていれば、懲戒の対象となるわけです。
逆にいえば、就業規則の懲戒規定に会社に対する虚偽申告がなければ懲戒の対象になることはありません。
懲戒の対象となった場合の懲戒の程度ですが、1. で述べた交通費を返還する必要の有無で程度が異なると思われます。
具体的な懲戒の内容については、就業規則で確認してください。
最後に、3. の点についてですが、労働者災害補償保険法(労災法)7条第2項は「通勤とは、労働者が、就業に関し、住居と就業の場所との間を、合理的な経路及び方法により往復することをいい、業務の性質を有するものを除くものとする。」と定めています。つまり、労災法では通勤の方法について「合理的な経路及び方法」としかうたっておらず、手段を特定していません。したがって、バス通勤と会社に申告しているのに自転車通勤をしている途中に起きた交通事故等についても労災の適用があると考えられます。
集計期間: 2008年6月29日-7月5日
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