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なっとく法律相談  2003年2月24日 更新

ビデオで遺言できる?

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Q.

 先日、父が他界しました。生前は、だれも相続のことを言い出せず、遺言はありません。案の定、父の財産の分配をめぐって困ったことになっています。というのも、父の財産の9割は父と弟とが住んでいる家と土地であるためです。
 相続人は弟のほか、私を含め兄弟4人ですが、それぞれの商売がうまくいっていないせいもあり、なんとか、不動産を換金して分配してもらいたいと思っています。ところが、弟は2年前の正月に録ったホームビデオの中で、父が(弟が)早く結婚してこの家に住め、という趣旨のことをいっていることを盾に、家と土地は自分のものだと言い張って聞きません。

 ホームビデオで父がいっていることを守る必要があるのでしょうか。良い解決方法があれば教えてください。

(50代:女性)

A.

 ホームビデオでの発言に、遺産分割の方法を拘束する効力はありません。つまり、民法上の遺言とは認められないのです。
 遺言は、遺言者の死後、その効力が問題となるという特質があります。その効力が生じる時には、遺言者はこの世に存在しません。死後にその意思が歪められる可能性が大変高くなります。そのため、厳格な方式によらなければならないことを法は規定しています(民法960条)。
 法律上、ビデオで遺言を行うことは認められていませんし、行ったとしても無効です。

 弟様に売却を承諾してもらうために、住居を失う分、多少有利な条件を提示してみてはいかがでしょうか。

 相続人間で協議が整わない場合は、家庭裁判所に遺産分割の調停申立をすべきことになります。調停でも話し合いがつかなければ、審判手続に移行します。通常の訴訟における判決にあたる「審判」が与えられます。
 なお、調停や審判手続の上で、お父様のホームビデオでの発言が考慮される可能性はあります。

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