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なっとく法律相談  2003年6月10日 更新

働こうとしない兄を扶養する義務

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Q.

 兄(31歳)は働く能力があるにもかかわらず家でぶらぶら過ごし、両親には罵声を浴びせ、私には暴力を振るおうとします。近所の方に迷惑をかけることもあり、ほとほと困っています。
 今は両親が健在で兄の面倒を見ていますが、両親亡き後は私が替わって扶養しなければならないのでしょうか。
 また、私はこの春結婚しましたが、将来この兄のことで主人に迷惑をかけることになったらと思うと不安でたまりません。何とか縁を切る方法はないものでしょうか。

(20代:女性)

A.

 まず、血のつながった親族である以上、法的に「縁を切る」方法はありません。これは親子関係でも同様で、昔は「勘当」という制度が存在しましたが、現在では認められていません。法的には、とことん付き合わなければならないのです。

 そのうえで、法律上扶養義務が認められる範囲は、

  1. 直系血族
  2. 兄弟姉妹

と定められています(民法877条1項)。
 これは結婚等で別戸籍になったか否かで左右されるものではありません。したがって、お兄さんが例えば病気で働けなくなった場合などは、あなたも扶養しなくてはならなくなることがありえます。ただし、扶養といっても、親子の場合と違って自分でできる範囲でいいのです。
 そして、就労能力があるにもかかわらず怠惰で働こうとしない場合にまで養ってあげなければならないか、となると、一般的にそこまでの義務は無いと考えられるでしょう。

 ただ、お兄さんのケースでは家庭内暴力の危険もあるようですから、大事に至らないうちに家庭裁判所に家事相談、あるいは家事調停の申し立てをされてはいかがでしょうか。
 調停は、お互いが納得して一定の合意を形成することを目的に行われ、家事審判官と通常2名の調査委員が双方から事情や考えを聞いた上で当事者が納得のいく適切な解決の道を探ります。電話・ファックスによる手続き案内を提供している家庭裁判所もあります。第三者の意見を聞くことで、お兄さんも少しは冷静に考え直すかもしれません。
 ご主人にも迷惑がかかりそうであればなおのこと、あなたの考えや態度を公にして、積極的に解決していく姿勢を見せた方が後々のためによいのではないでしょうか。

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