トップページ > なっとく法律相談 > 学生が起こした事故につき、学校にも責任があると言われたが?
なっとく法律相談 2003年6月30日 更新
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本校は外国人留学生の専門学校です。学生が自転車に乗っている際、歩行者(日本人)にけがをさせてしまいました。治療費と休職中の給与33万円を学生が支払いましたが、その後も毎月請求がきます。学生は恐れて逃亡してしまいました。被害者は学校に管理責任があるから、治療費その他を学校が支払うべきだと主張しています。
こんな法的責任が学校側にあるのでしょうか。
(30代:男性)
貴校が学生さんについて、保証人・後見人的な責任を負う(留学生という特殊性から)契約を結んでおられるとか、学生さんが貴校の業務のお手伝い・アルバイトをしていたとか、そういう事情のないかぎり、原則として貴校に法的責任はないと考えます。
このケースで貴校に責任が認められるとしたら、民法714条の監督義務者の責任か、715条の使用者責任か、どちらかにあたる場合でしょう。
まず、貴校が、民法上の監督義務者(親権者、後見人など)、代理監督者(幼稚園の保母、精神病院の医師など、未成年者を監督すべき立場にある者)にあたる場合で、しかも監督責任を果たしていないことが原因で(相当因果関係にある、といいます)相手方に損害が生じたときは、貴校自身が不法行為を行ったのでなくても責任を問われることがあります。この場合、貴校が監督責任を果たしていなかったという事実は相手側が立証しなければなりません。
また、他人に使用されている者が使用者の「事業の執行」(715条1項)につき他人に損害を与えた場合、使用者または代理監督者は責任を負担しなければならないことがあります。この「事業の執行」は大変広く解釈されていまして、一時的なものや非営利的なものも含むというのが判例です。
しかし、学生さんがプライベートで起こした事故は、これらのいずれにも当たらないでしょう。常識的に考えても、学生一人一人の自転車の乗り方にまで学校が責任を持てるわけがありません。
ただ、昨今の消費者金融の事件を見てもわかるように、世間には相手に法的責任がないのを承知で払え払えとふっかけてくる輩がいるのです。学生さんに賠償責任があるとしても、診断書、治療費の明細、今後の治療の見通し、欠勤・休職の証明、給与額・不支給額の証明それからすでに支払った賠償金の領収書等、相手にも請求にあたって提示すべきもの、説明すべきことがたくさんあります。学生との間で示談が成立したというなら示談書もあるはずです。言いなりに払うことはありません。
本人が逐電してしまったとしても、学校として事故届を出しておくべきです。相手が協力しなければ、警察に事情を話し、後日のためわかる範囲だけでも線引きをしておきましょう。
集計期間: 2008年5月4日-5月10日