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なっとく法律相談  2003年7月 1日 更新

結婚したと思ったらもう別れたんだって…お祝いを返してほしい!

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Q.

 会社の後輩の結婚式に呼ばれ、ご祝儀を包みました。ところが、後日になって入籍をしてないことが判明しました。聞けば、この後輩は別に恋人がいて、式を挙げた女性とはすぐ別れたとのことでした。
 こんなの、結婚を理由にした詐欺にあたりませんか? 祝儀の返還の請求はできるのですか?

(30代:男性)

A.

 あなたが後輩に包んだ祝儀は、民法上の贈与民法549条)、それも「書面によらない贈与民法550条)」にあたります。この形式の贈与は、履行されてしまえば取り消すことはできません。おめでとうと渡してしまえば、あとから返せとはいえないことになっています。

 ただし、履行につき錯誤民法95条)、あるいは詐欺民法96条1項)があったと認められれば、返還請求も可能になります。まず、錯誤があった、と言えるでしょうか。

 日常生活ではよく、「そんなつもりじゃなかったよ」「そうと知ってたらやらなかったのに」という言い方をしますが、法律上の「錯誤」といえるためにはもう少し厳しい要件を満たすことが必要とされます。いくつかありますが、一番問題なのは、「要素の錯誤」にあたるか、という点です。
 要素の錯誤とは、この点について錯誤がなかったならばその行為をしなかったであろうと考えられ、かつ、誰でも普通そう考えるだろう、と思われるようなものをいいます。あなたのケースにあてはめると、入籍しない(あるいは、するのが困難な事情がある、など)なら、お披露目の式をしてもお祝いは贈らないはずだ、ということが、あなただけではなくて、世間一般もそう考えるのが普通といえるか、ということです。

 これは少々難しいのではないかと思われます。入籍しないということは、夫婦として生活することを実質的に損なうものではないと考えられるからです。通常カップルに贈られるお祝いは、2人がともに新しい生活に歩みだすことに対してのものであり、法律婚が真っ当に成立したことを認知する意味で贈られるものではないでしょう。
 そのカップルが実は何の実体もない、偽装結婚ででもあればひいては詐欺にあたることもありえるでしょうが、お披露目をした後に不仲になって入籍に至らなかった、というだけでは、とても、相手を欺いた、とは言えません。
 腰の落ち着かない後輩に小遣いをくれてやったんだ、とでも思っておきませんか。

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