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なっとく法律相談  2003年8月 5日 更新

知り合いの頼みで、形だけ「契約する」旨の署名に協力したが…

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Q.

 ウィンドサーフィンの道具を置くために艇庫という駐車場のようなものがあります。知り合いが新たに艇庫を開くにあたり、「銀行からお金を借りる必要ができたので署名集めに協力してほしい」と頼まれたので、艇庫を開き次第契約します、という内容の書類に署名しました。
 ところが後日契約書をみると、貸主の同意がないと解約できない、契約後2年間解約できない、などと内容が借主に一方的に不利になっています。
 今からでも契約を断りたいのですが、可能でしょうか?

(20代:男性)

A.

 あなたが署名した誓約書は、あくまで知り合いに頼まれて銀行に対し信用を作るために差し入れたもので、艇庫を借りることを知り合いに対して約束したものではないのでしょう。
 そうであれば、その誓約書は当事者(あなたと知り合い)間では無効であり、あなたは誓約書どおりの義務を負うことはありません。これを通謀虚偽表示民法94条1項)といいます。口裏を合わせて契約があるかのように見せかけただけで、実際には契約を結ぶ意思がなかった場合、民法はその見せかけの契約に拘束力を認めていません。
ただし、善意の第三者〈署名が信用を作るためになされた実体のないものだと知らなかった銀行など〉には、契約するつもりはなかったのだと主張できませんから注意してください。
 また、誓約書が真意から出たもので、賃貸借契約の予約をしたものであったとしても、契約の要素(重要な部分)に錯誤民法95条)があったと認められ、無効を主張することができます。さらに、あらかじめ説明を受けていない要求をされているのであれば、そもそもあなたはそんな契約を結んでいないのですから、あなたには何の義務も生じません。知り合いのほうこそ、元の契約内容にしたがって、貸主としての義務を履行しなければならないのです。

 以上を前提に、やはり賃貸借契約を結ぶというのであれば、何をもって契約とするか、この際きちんと書面にしておかれることをお勧めします。口約束は争いのもとです。賃貸借契約を結ばないにしても、後日のため、契約を結んでいないことを確認する念書を作っておいたほうがいいと思います。

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