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なっとく法律相談  2004年8月26日 更新

着手金だけ取って何もしない先生。責任を取ってほしいのですが…

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Q.

 ある行政書士に破産事件を依頼し、必要書類も全て揃え着手金五万を払いました。会社にも知られず差し押さえもされないように処理してくださいとお願いしていたのに、何もしてくれないまま、ついに給料まで差し押さえられる事になりました。
 打ち合わせのたびに食事や飲み物をおごらされ、あげく本人は今月初め別件で警察に捕まってしまって現在も出て来ていません。
 手渡した書類は引き上げ、破産の件は新たに司法書士の先生にお願いしたのですが、差し押さえはどうにもならない事だとのことです。これではまるで詐欺です。
 率直にお伺いしますが、その行政書士を訴えることはできますか?着手金も返して欲しいのですが可能でしょうか?

(30代:男性)

A.

 あなたが破産手続きなど、法律行為の処理を依頼し、相手が承諾すれば、委任契約民法643条)が成立したことになります。(行政書士は、破産申立を代理する権限はありませんが、それは別問題です。)
 「委任」は物事の完成ではなく、それに至るプロセスが評価される契約です。ですから、たとえ不満足な結果に終わってしまったとしても、受任者はそれを理由に債務不履行に問われることは原則としてありません。ただし、「委任の本旨に従い善良な管理者の注意をもって事務を処理する」義務(民法644条参照)は果たさなければなりません。結果でなくプロセス重視の分、委任者のためにいかにベストを尽くしたかが問われる契約なのです。

 さて、このセンセイですが、「受任者の善管注意義務」を果たしていないことは明白です。損害賠償請求できることに問題はありません。委任契約である以上、原則として「やり方」は受任者に任されるわけですが、多分全く何もせずにほったらかしていたのでしょうから、着手金も返してもらいましょう。
 ただ、現実に「取れる」かどうかは別問題です。面倒くさい裁判に勝ち、判決文をもらっても、相手に財産がなければ一文にもなりません(現にあなたがやられているように、差し押さえるべき給料でもあればいいのですが…)。
 ご本人に連絡が取れない現状では、まずは所属の行政書士会に相談するのがいいでしょう。あるいはもう除名処分になっているかもしれませんが、本人、他の被害者に関する情報なども得られると思います。

 最後に、一言だけアドバイスです。委任したからといって、任せっぱなしはいけません。あなたは委任者として、働かない受任者をいつでも解任することができたのです(民法651条1項)。ましてや、破産して免責でも受けようというのなら、もう少し、自己の責任において事を運ぶべきだったのではないですか。法律という助っ人はあなたの味方になってもくれますが、他力本願の嫌いな気難し屋でもあるのです。

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