トップページ > なっとく法律相談 > 盗まれたキャッシュカードに対する銀行の対応について
なっとく法律相談 2004年9月 8日 更新
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先日、車上荒らしに遭い、窓を割られ、車内に置いてあったバックを盗まれました。中にはキャッシュカードも入っていたので、すぐに某大手銀行に連絡し、カードストップの手続きをしましたが、緊急の場合にもかかわらず、本人確認や貯金の出入り確認でさんざん待たされ、その間に預金をほぼ全額を引き出されてしまいました。
ストップの連絡をしたのが14時17分、現金が引き出されたのが14時20分です。
その間、3分もあったのになぜすぐに止められなかったのでしょうか。責任は銀行側にあると考え、電話で連絡したところ、いろいろな部署をたらいまわしにされた挙句、銀行側には責任がないというのです。その対応の悪さにとても悔しい思いをさせられました。
銀行に責任を追及する方法はないでしょうか。
(20代:女性)
取引の社会通念上、真の債権者らしい外観を有するもののことを、「債権の準占有者」(民法478条)といいます。権限無く預金証書その他の債権証書、必要な印鑑を所持する者、正しい暗証番号を入力してキャッシュカードで払い戻しを請求する者はこれにあたります。
債権の準占有者への弁済は本来は無効なはずですが、弁済者が善意無過失であれば弁済として有効とされます。その意味は、弁済者は責任を免れ、債務は消滅し、真の債権者は債権を失うということです。真の債権者は弁済を受領した者に、不当利得(民法703条、704条)、あるいは不法行為(同709条)として返還・損害賠償を請求するしかありません。
一日のうちに何千何万という払い戻し請求を処理する銀行では、払い戻し請求をする者が真の権利者かどうか、一人一人調べることはできませんし、銀行はしかるべき通帳、カードを所持する者には迅速に払い戻し請求に応える義務があるので、その観点からも準占有者と広く認められる傾向にあるといえます。
逆に、債権を持っているという外観を有する者に、それにもかかわらず払い戻しをストップする行為は、慎重に行わざるを得ない面があるのです。銀行は本来払い戻す義務を負う以上、そのために万一真の権利者への払い戻しが滞るようなことになったら、それは銀行の責任となるからです。したがって、真の権利者からの通報であることを正しく確認した上でストップすることが銀行の義務ともなりますから、あなたが権利者本人であると確認しようとした銀行の行為は、それ自体は責められることではありません。3分間で真に権利者からの通報かどうか確認することが可能かどうかは、銀行実務の実際的な情況によりますが、社会通念上は、難しいかもしれません。
銀行としてはそのような苦情や要望に応えるべく、相談所を設けています(全国銀行協会の「銀行よろず相談所」)。公平な立場で相談に乗れるように弁護士会仲裁センターへの取次ぎも行っているようですから、アクセスしてみてはどうでしょうか。最近同じような事例でトラブルが多いようですから、銀行の対応にも変化の兆しがあります。
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