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なっとく法律相談  2003年9月22日 更新

怪しい取り立て業者からの通知

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Q.

 近頃、見知らぬ取り立て業者から手紙やハガキが来るようになりました。
 文面は、「最終通告──先日以来未だご連絡がない為、本書をお送りしました。この度当社は貴殿、借り入れ先の業者の権利を民法467条1項に基づき譲渡されましたので、ご通知申し上げます。今後、ご返済は当社が承ります。尚、ご連絡がなかった場合、もしくはご返済を頂けなかった際には、裁判所に訴訟を起こし、民事執行法に従いまして強制手続きをとらせて頂きます。その際には、給与、財産等の差し押さえ等を行わせていただく場合もありますのでご了承下さい。尚、強制執行の際には、当社執行官(原文ママ)が、ご自宅・勤務先等に訪問させて頂きますのでご了承下さい。(株)○○○○、担当連絡先・080-3240-XXXX」などというものです。
 私は現在数社から借入れていますが、延滞はしていませんしトラブルもありません。この会社がどこの金融業者から頼まれたのかは分かりません。会社の電話番号も携帯ですし、代表者の名前もありません。どのように対応したらよいでしょうか?

(40代:男性)

A.

 債権も、譲渡できない性質のものでない限り、原則として譲り渡すことができます(民法466条1項)。債権も財産権ですから、延滞がちのものに限らず、売ろうと思えば売ることができます。

 しかし、債権を買った者は、467条1項に規定された手続きを踏まなければ債務者に自分が新しい債権者であることを対抗(主張)できません。その手続きとは、「譲渡人(債権を売った者)が、債権を誰某に売ったことを債務者に通知する」か、あるいは「債務者が承諾する」というものです。
 この規定はまさに債務者を保護するためのものです。すなわち、債務者は期限までに債務を弁済しなければならない義務を負っています。しかし、債権を譲り受けたと言っている人が真の債権者であることを確認できなければ、義務を履行することができません。たとえ「私が債権者だ」という者が現れても、その人が真の債権者であるかどうかは元の債権者に確かめてみない限り分からないからです。(ただし、債務者が真の債権者を知ることができる場合には自称債権者に誤って弁済してしまう虞はないので、債務者の「承諾」でもよいことになっています。)

 あなたに通知を送った自称「債権者」さんは467条1項について、正しくご存知なかったようですね。債権譲渡の通知は、このように、「債権を売った者」から通知することが必要と定められているのですから、「当社」から通知をしても何の意味もありません。
 この通知は、譲受人が譲渡人の代わりにすることも認められていない、厳格なものです。ましてや、債権の特定もできず、誰から譲り受けたのかも記していない通知などは、同条項の趣旨を全うしていないもので、何の法的効力も持ちません。ですから放っておいて大丈夫ですが、どうしてもご心配ならば、借入れ先に報告し、債権譲渡の有無を確認しておかれたらいいと思います。

 通知の主は、文面からしても、多重債務者の窮状、狼狽を狙った悪質な輩と推測します。うっかり返済してしまってからでは取り返しがつきませんから、くれぐれも注意してください。

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