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なっとく法律相談  2003年9月29日 更新

心当たりがないのに訴えられたら・・・

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Q.

 去年、妻の前夫が亡くなりマンションの固定資産税の支払い請求がきました。そこで相続放棄したのですが、先日裁判所より所有権移転登記抹消登記請求の訴状が送られてきました。
 すでに放棄をしているのにどうして訴えられるのか分かりません。答弁書を出し、期日に出頭しなさいとの事ですが、納得がいきません。どう対応したらいいのでしょうか?

(40代:男性)

A.

 裁判所から送られてきた訴状には注意書きが添えられていて、答弁書の提出期限と、その提出を怠り期日(口頭弁論期日)に出頭しないと欠席判決がなされることが記されています。
 答弁書とは、訴状の送達を受けた被告(訴えられた人)が訴えに応じて最初に提出する準備書面(簡単にいえば、主張や証拠などについて記した書面)をいいます。この答弁書を提出せず、期日にも出頭しないと、どうなるのでしょうか?

 民事訴訟制度は国家が公的サービスの一環として運営しているものですから、その利用は国民の自由に委ねられています。しかし(だから、とも言えますが)、一旦訴えが提起されたときには、裁判所は必ず審理を行い、何らかの判断を下さなければなりません(裁判拒絶の禁止)。
 その際には当事者の訴訟遂行上の意思が尊重され(処分権主義)、裁判所は当事者が主張した事実のみを判決の基礎とすることができ、当事者が主張していない事実は、たとえ証拠調べの結果裁判所が存在を確信したとしても、事実として認定してはならないことになっているのです(弁論主義)。

 つまり、あなたにとっては理由のない訴えであっても、原告が正当なものとして訴えてきている以上、裁判所は判決を出さなければなりません。ところが、あなたが何ら主張、反論しなければ、裁判所は、あなたには原告の主張に反論すべき意思や事実がないものとして扱うしかありません。その結果、あなたはいわば「戦わずして負け」たと同じことになってしまうのです。「身に覚えがないのに時間と手数をかけて応戦しなければならないのは理不尽だ」と思われるかもしれません。しかし、あなたが訴える側に立ったときのことを想像すれば、応訴しない者が負けるのは当然と思われることでしょう。

 ですから、答弁書だけはぜひ提出しておかなければなりません。第1回の口頭弁論期日までに提出すれば、訴訟上不利な取り扱いは受けません。答弁書の準備が期限までにできなかった場合は、第1回の口頭弁論期日に必ず出頭し、事情を説明しておくことが必要です。
 答弁書の作成、期日の出頭などは自分でもできないことはないですが、思わぬ不利益を受けないためにも、しかるべき弁護士に委任されることをお勧めします。

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