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なっとく法律相談  2003年10月20日 更新

福袋を買ったが、中身が店員の説明と違いすぎる

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Q.

 先日、55,555円の福袋を買いました。中身は衣類なので、色合いやサイズについて尋ねました。すると「ベージュとか黒とか使いやすい色です」「サイズも大きめのものを入れてあります」ということだったので買うことにしたのです。
 ところが、色は派手、サイズも小さいものばかりで、私が着られるものは一枚もありませんでした。また、「32~3万円以上の商品が入っています」とのことでしたが、29万円相当しか入っていませんでした。
 納得がいかず、電話で返品を頼んだところ「福袋とはそういうものです。サイズが合わないのなら一部交換には応じます」とのことで、返品にはまったくとりあってもらえませんでした。「ベージュとか黒ばかりとは言ってない」とも言われ、結局言った言わないの応酬になってしまいました。
 値段も高額だし、あきらめられません。返品できないものなのでしょうか?

(30代:女性)

A.

 一般に「錯誤」と言われるものの多くは、法律上は「動機の錯誤」、「……だから買った」「……と思ったので売った」というような場合です。つまり、売ったり買ったりの行為をする事自体に間違いや勘違いはないものの、それに至る「動機」が本人の思惑と違った場合です。今回のあなたのケースもこれに当たります。

 「動機の錯誤」が民法95条により無効となるためには、本来の「錯誤」より厳しい要件、すなわち「その動機が表示され、意思表示の内容となっていること」が必要とされます。ただ「買います、売ります」というのでなく、「……ならば買います」「……というのなら売ります」と条件をつけたような場合ですね。

 あなたは、衣服を選ぶについては重要なポイントとなる色合いやサイズについて店員に確認し、「それならば買いましょう」と判断されたようなので、「動機が表示された場合」として売買契約は無効となり、返品が認められそうにも思えます。

 しかし、ここで問題になるのが「福袋」という販売方法の性質です。ご存知のように福袋は、中身が分からず確認もできないかわりに福袋の値段以上の商品が入っていることをひとつの「お楽しみ」として販売されるものです。言わば商品が自分に本当に必要なものであるか、似合うかなどという、購入者としては当然のチェックを放棄したところに成立する販売方法であるわけです。
 あなたに説明した店員も、「福袋である以上中身が確認できないのが原則だけど、マァお客さんとしては少しでも安心して買いたいから聞いてるんだわ」くらいの気持ちで答えたのではないでしょうか。内容・値段ともに袋ごとにばらつきがあるはずですから、特定の袋について確実なことは答えられないという事情もあります。言った言わないの応酬になったということですが、店員のそういう心理も関係しているでしょう。

 これらを総合してみれば、返品まで認めさせるのは無理かもしれません。交換に応じさせるのが精一杯のところではないでしょうか。

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