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なっとく法律相談  2003年11月17日 更新

「請求可能」の意味とは?

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Q.

 法律相談の回答で、よく「あなたは請求することができます」とか「請求することが可能です」という言い回しを耳にしますが、意味が曖昧で、よく分かりません。
 相手側に「支払う義務がある」という意味なのですか? 普通は、請求したぐらいでは素直に支払ってはくれないでしょう。そういう場合に相手に支払う義務があれば、裁判所に訴えることもできそうです。
 それとも、「請求する権利がある」というだけで、相手に支払う義務はないということなのでしょうか。

(50代:男性)

A.

 ご意見のとおり、法律相談の回答文には何やら奥歯に物が挟まったような言い回しがありますね。相談する側としては「金が取れるのか取れないのか、はっきりしてくれ!」と言いたくなるのももっともだと思います。

 ご質問で想定されているのは、民事に関することだと思います。刑事事件でも「告訴することができる」という言い方はなされます。が、被害者にできるのは、告訴(犯罪の被害者等が、捜査機関に対して犯罪事実を申告し、処罰してほしいと求めること)をするかしないかを決めることまでです。被害者自身が刑事裁判を起こすことは認められていません。告訴を受けて事件処理する(事件として取り上げ、検察へのルートに乗せるよう捜査活動などを進めていくこと)、送検後、起訴不起訴を決定する、これらは警察や検察官に委ねられています。つまり、被害者の言い分を聞いたあとは、代わりに国家が加害者(犯人)に公訴を提起する(裁判を起こす)わけです。ですから、息子を殺された親が「犯人は反省しているようだから許してあげる」といって、死刑を無罪にすることはできません。

 これに対して民事では、裁判にするかしないかを含め、一切の処理は当事者に任されています。これを処分権主義といいます。民法の大原則に「私的自治の原則」というのがあります。「近代社会においては個人は自由かつ平等とされている以上、そのような個人の権利義務関係を拘束できるのは当事者本人らの意思でしかない」という原則なのですが、処分権主義はこの思想が民事訴訟法に反映されたものです。
 したがって、裁判が始まっても、原告(訴えを提起した人)は、原則としていつでも訴えを取り下げることができますし、お互いに和解して一件落着にすることもできるというわけです。

 ですから、「請求することが可能」というのは、あなたに権利があり相手には義務があることを認めた上で、あなたはその権利を「請求」という形で「処分」できるんですよ、という意味だと考えてください。そして「請求」とは、回答文に特別の限定がない限りは、「裁判上で請求できること」つまり「裁判で訴えられる」ということです。

 ただし、相手には相手の言い分があり、それなりの主張をしてくることが予想されますから、何の障害もなく勝てるという保障があるわけではありません。「可能」という言葉はそんなニュアンスも含んでいます。また、勝訴しても、相手が無資力であれば満足を受けられないこともよくあります。

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