なっとく法律相談 2003年11月25日 更新
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女友達と性交渉をもったことが、彼女の交際相手Aにバレてしまいました。行為が原因か、彼女のおなかが痛くなったため、分かってしまったようです。
一時はAに「強姦で被害届を出す」とまで言われましたが、3人で話し合った結果、「治療費として5万円払う」ということで収まりました。そして「今後はお互い何があっても関わらない」という約束をしました。
私は携帯のメールアドレスを変え(彼女も了解済み)、今のところ連絡はきていません。しかしいつまた彼の気が変わって被害届を出されるか心配で、毎日びくびくしながら生活しています。被害届はいつまでに出さなければ無効になる、というきまりはあるのでしょうか?
(20代:男性)
一般に、刑事に関する訴えについては、被害者が告訴し、それを受けて警察が捜査、検察官が起訴します。これを公訴の提起といいます。公訴権は時効によって消滅します。犯罪行為が終わった時点から一定の時間が経過すれば(刑事訴訟法253条1号)時効が成立し、その後の起訴は許されません(同337条)。その期間の長短は法定刑の重さによって決められています(同250条)。
強姦罪(刑法177条)は「2年以上の懲役」にあたる罪なので、時効は7年、その後は公訴を提起することができません。つまり、あなたに強姦罪が成立するとしても、罰することはできなくなってしまうのです。
ここで注意が必要なのは、あくまでその期間内に公訴の提起まで持っていかなければならないという点です。テレビドラマの刑事もので、「あと3分で犯人を捕まえないと時効成立だ!!」と刑事が必死で犯人を追いかけるシーンが出て来ることがありますが、全くナンセンスです。時効までに「公訴の提起」が必要なのですから、実際にはそのずっと前に身柄を拘束して、取り調べて…という手続きを踏まなければならないことになります。逆に言えば、「7年マイナス公訴に至る準備・手続きに要する時間」の間は被害届が出される可能性が残っているといえます。
しかし、あなたと彼女とは合意の上で交渉を持ったのでしょう。それならばそもそも強姦罪は成立しませんし、金銭を払う理由もなかったのではありませんか? 彼女に対するいたわりの気持ちからあなたが治療費相当分につき負担することには、何の問題もありません。が、AがA自身の立場で金銭を要求できるのは、彼に対して民法上の不法行為(709条)が成立し、あなたが彼に対して慰謝料を払う義務が生じた場合だけです。
告訴しないことを条件にして金銭をやりとりすることは「示談」として一般に行われてはいますが、そもそも彼女に対して何ら罪となるべき行為をしていないのに、示談に応じる必要もなかったはずです。仮に金銭を支払うとしても、その金銭はどういう意味合いで支払われたのかを、今後の取り決めとともに文書にしておくべきでした。相手が悪質であった場合、あなたのとられた方法ではいくらでも相手につけ込む隙を与えてしまいます。今後連絡があるかないかを心配するよりも、たとえ連絡がきても一切応じない覚悟を決めることの方が大切です。
最後になりましたが、強姦罪は親告罪です。被害者本人が告訴しない限り、公訴は提起できません。Aは被害者ではないので、被害届を出して告訴することはできません。
集計期間: 2008年7月6日-7月12日