トップページ > なっとく法律相談 > 誘われて転職したが、待遇が勧誘時の説明に比べて違いすぎる!
なっとく法律相談 2003年12月22日 更新
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以前勤めていた会社の先輩に誘われて転職し、2ヵ月半たちました。働き始めてみると、労働条件が全く違うのです。
先輩から説明された条件は、
実際の待遇は、
何度も先輩に説明されてから採用試験を受けたので、面接時には担当者に質問もしませんでした。採用時に「3ヶ月は契約社員扱いになる」と言われましたが、待遇は正社員と同じなんだと思っていました。採用時に取締役からも、「給料等の待遇は同じです」と聞いていたので、先輩の話通りと思い込んでいました。
しかし実際には先輩は人事部でもなく、推測で説明していたようなのです。
先輩からは悪かったという謝罪も無く、許せません。会社や先輩に慰謝料の請求はできるでしょうか?
(20代:男性)
先輩の説明していた条件と実際の条件はずいぶん違い、これではあなたが憤慨されるのももっともです。しかし、債務不履行責任や慰謝料を請求するには法律的な理由が必要です。
たとえば、会社が先輩の言っていた条件で雇用契約を結ぶことを確約していたのに履行しないというなら、「会社に」契約の履行や損害賠償を求めることができます。先輩が虚偽の勧誘をしていることを会社が知りながら、勧誘とは異なる条件であることを秘して雇用しようとした場合なども同様です。しかし今回は会社側には特にそのような落ち度はありませんね。
また、雇用契約を結ぶにあたって労働条件を確認するのは常識と思われますが、会社がその機会を持ったにもかかわらず、あなたは何も確認しなかったようです。これでは錯誤(民法95条)があったとして契約を無効にすることは可能でも、会社の責任を追及することはできません。
では、先輩に対してはどうでしょうか。
民法上の不法行為責任(709条)を追及することを考えてみましょう。不法行為責任を追及するにはいくつかの条件を満たすことが必要ですが、先輩に「故意・過失」が認められたとして、あなたに「損害」が発生しているかどうかが問題です。
先輩が言った条件を信じその条件で雇用されることを前提として、別途売買契約、ローン契約などを結んだり、前の会社を不利な条件で辞めたりした場合は「先輩の甘言に乗って損害を受けた」といえるかもしれません。
しかし特にそのような事情がなければ、「あなた」という労働力に会社側が出した条件通りの「値段」がつき、あなたもそれを受け入れた(だからこそ雇用契約した)というだけで、何も損害は発生していないとも考えられるのです。
先輩が「一人勧誘してくれば歩合をもらう」などという契約を会社としていたならば「人を欺き財産上不法の利益を得ている」といえ、詐欺罪(刑法246条)にあたる可能性もでてきます。しかしそうでなければ、全体としてあなたの過失が大きいと認定され、法律上の請求に及ぶ実益は少ないでしょう。
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