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なっとく法律相談 2004年1月 5日 更新
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『パチスロ攻略法』を買いましたが、まったく効果がありません。
代金を返して欲しいと電話してみたのですが、販売会社は「儲からないのはあなたが情報を使いこなせないからだ。効果が上がっている人もいる」「絶対儲かるとは言ってないでしょう」というのです。
残金の支払い期限が3週間後に迫っていますが、効果もないのに払いたくありません。購入書にサインしてしまったのですが、払わないで済む方法はないでしょうか?
(20代:男性)
パチスロ攻略法に限らず、競馬必勝法、株式で損をしない法など、いわゆる「必勝法」が多く売り出されています。書籍からパソコンを利用する方式のものまで、形態も様々です。これらの商品の特殊性は何かというと、「誰も知らない情報」としての価値が売買されていることです。
その情報は他人が知らないからこそ値打ちがあるので、多くの人が知るようになってはもはやそれによって競争に勝つことはできなくなり、したがって価値もなくなるという性質の「情報」です。いわば「情報の秘密性」に値打ちがあるので、「誰も知らないその情報」を得ることによって、あなたも大多数の負け組から数少ない勝ち組になれるというわけです。
もうお気づきでしょうが、これは大量販売の形態にそぐわないものです。なぜその情報が売れるのかという、本質的な性質と矛盾しているからです。その意味で、例えば「長生きする方法」などとは根本的に異なります。国民みんなが健康になることは理屈の上では可能ですが、パチスロや競馬で全員が勝つ方法などありません。こういうゲームは、多数の負け組が失った大金が一握りの勝ち組に分配される構造によって成立しているのです。
ですから、あなたの買った情報が買った時点では効果があるものだったとしても、皆が知ってしまえばその情報を利用して勝つことはできなくなります。また、勝てないのは情報が間違っているせい、と決め付けることはできません。たとえ正確な情報だったとしても、攻略法販売会社がいみじくも言ったように「買った者が使いこなせない」という場合も事実としてあります。
もちろん、「必ず儲かる」などという誇大な広告や不当表示は、消費者契約法などに触れる虞はあります。また、攻略法の内容が著しく粗悪だったり、広告の内容とあまりに異なる場合は錯誤(民法95条)として売買契約の無効を主張することもできなくはありません。
しかし最近では売る方もコピー文句に注意していることが多いようですし、効果の不確実性も商品自体の性質に由来するものといえます。多くの場合、契約は有効に成立し、残金も払わなければならないものと考えます。
およそ勝負事のプロは「新情報と大衆心理」という浮き世の新旧両面に精通し、常に感性を磨いて戦っています。わずかな対価を払えば鼻提灯を出しながらでも勝てる勝負などないのです。あなたには、ご自分なりの「攻略法」を探しながらゲームとして参加されることをお勧めしたいです。
集計期間: 2008年5月4日-5月10日