トップページ > なっとく法律相談 > 生前に贈与を受けているのに、まだ欲しい?
なっとく法律相談 2001年4月16日 更新
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私は兄と2人兄弟で、母はとうの昔に亡くなっています。最近になって、父が亡くなるなり、父から生前贈与を受けた兄が亡くなりました。
その嫁は、父の生前、兄が父から土地の贈与まで受けていたのに、子育てにもお金がかかるからといって、もっと欲しがります。
例えば、生前贈与の額が私の取り分より多い場合、返却を求めることができますか。
(年齢不明:男性)
結論から申しますと、お兄様への生前贈与があなたの遺留分を侵害するほどに至っている場合には、少なくとも、その侵害分を金銭で弁償してもらうことができます。
以下、「遺留分」という言葉の意味も含めて、順を追ってご説明しましょう。(なお、お兄様はすでに亡くなっておられますが、お兄様の嫁や子は、お兄様の権利を主張することになりますので、お兄様が生きておられるものとしてご説明いたします。)
まず、被相続人であるお父様が、生前にあなたのお兄様に多額の財産を贈与したとしても、一旦は、その贈与がなかったものとして、相続財産に組み込み(これを「持ち戻し」といいます)、それを法定相続分に従って分割し、その結果算出されたあなたのお兄様の相続分から贈与された財産の分を差し引いた分だけをお兄様が相続することになります(民法903条1項)。
そして、お兄様が贈与を受けた財産の価額が、本来の相続分の価額と同じかこれを超える場合には、お兄様は相続分を受けることができなくなるのです(同条2項)。
ただ、それでは、本来の相続分より多くの財産をあなたのお兄様に残そうとされたお父様の意向が無意味になりかねませんから、お父様が、上記のような「持ち戻し」をしないという意思表示を遺言等でなさっている場合には、生前の贈与が本来の相続分を超えていたとしても、なお、相続分を受けることができます(同条3項)。
もっとも、お父様がそのような意思表示をなさっていたとしても、子供であるあなたには、なお奪うことができない遺留分というものがあります。
お父様の子があなたとお兄様の場合、被相続財産の2分の1で、あなたの遺留分はその半分である、被相続財産の4分の1ということになります(民法1028条2号)。
これを超えてお兄様に生前贈与された分については、あなたはお兄様に対して、減殺請求することになりますが、お兄様としては、あなたの遺留分が侵害された分を金銭で弁償すれば、目的物そのものを返還しなくてすみます(民法1041条1項)。
したがって、冒頭のような結論となります。
集計期間: 2008年7月6日-7月12日
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