トップページ > なっとく法律相談 > 法は家庭に立ち入らず?
なっとく法律相談 2004年2月16日 更新
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弟嫁が実家の母の財布から銀行のカードを抜き取り、100万円ほど使っていたことが分かりました。弟夫婦は実家の近所に住んでいるため、鍵を預けてあったのです。
弟嫁は全く反省していない様子なので、警察に被害届を出すことを考えています。「家庭内の犯罪には警察は関わらない」と聞いたのですが、受理してもらえるでしょうか。
(20代:男性)
警察が家庭内でおきた犯罪の捜査に消極的なのは事実です。家庭のことは家庭内で収められればそれが一番望ましいでしょうし、せっかく捜査し始めたのに内々で話し合いがついて、「もういいです」などと取り下げられたらたまったものではない、ということもあるのでしょう。
刑法上も「親族間の犯罪に関する特例」(親族相盗例・244条)という規定があります。配偶者、直系血族または同居の親族との間で窃盗罪、不動産侵奪罪(未遂を含む)を犯しても刑は免除され(同条1項)、その他の親族との間でおきた場合でも、告訴がなければ公訴提起できない(同条2項)と定められています。
しかし、判例の姿勢は必ずしも甘くありません。同条1項が適用されるためには、盗まれた物の「所有者」と「占有者」、その双方との間に親族関係が必要であると解されています。
例えば、父親が時計を誰かに貸していて、その人からドラ息子が盗んだという場合、息子は貸してもらっていた人(占有者)とも規定の親族関係がなければ、刑は免除されません。また、父親が誰かに借りて持っている時計を息子が盗んだという場合も、所有者との間にも同様の親族関係がなければ、免除の対象にはなりません。これはかなり特異なケースで、そうそう成立するものではありません。
弟嫁と実家のお母さんは「配偶者、直系血族、同居の親族」(244条1項)いずれの関係でもないため刑は免除されませんが、「その他の親族」(同条2項)にあたるので、告訴がなければ警察は捜査の手続(公訴提起に向けた準備活動)に入りません。
しかし、金額も少額とはいえませんし、本人が反省していない(再犯の可能性もある)ということですから、告訴すれば、しぶしぶ(?)捜査を開始してくれるかもしれません。
また、鍵を預けてあったそうなので今回は無理ですが、住居侵入罪(同法130条)には親族間の特例はありません。
集計期間: 2008年5月4日-5月10日