トップページ > なっとく法律相談 > 海賊版を買った人は何罪?
なっとく法律相談 2004年4月12日 更新
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CDやDVDの中に、海賊盤と呼ばれる、いわゆる違法コピーされた商品があります。
海賊盤を作った人や販売する人はおそらく著作権法違反に問われるのでしょうが、購入者も罰せられるのですか?
その場合、海賊盤と知って買った場合と、知らずに買った場合では何か差があるのでしょうか?
(30代:男性)
我が国の刑法は、犯罪を、原則として単独で行われる場合を想定して規定しています。従って、複数の人間が関与して犯罪が実行された場合には、基本的な犯罪の形態(「構成要件」といいます)に共犯規定を加えて適用して、その処罰を決定しなければなりません。
例えば、殺人罪(同法199条)の規定は、一人の人間が、一人または複数の人を殺す場合を想定しています。そこで、二人以上が共同して殺人を犯した場合には、殺人の規定に共犯規定を加えるような形で対処しなければなりません。このような類型を、「任意的共犯」といいます。
しかし、犯罪には、その性質上複数の人が関与しなければ成立しえないものもあります。例えば、賄賂罪(刑法197条)。この犯罪は、賄賂を贈る側と受け取る側の両方が存在しなければ成立しません。このような犯罪類型を「必要的共犯」といいます。条文で賄賂罪をみると、贈賄・収賄の双方に、処罰が規定されています。
ところが、必要的共犯でありながら一方のみを処罰し、他方については処罰を規定していない犯罪があるのです。
例えば、わいせつ物頒布罪(同175条)。売り手を処罰する規定はありますが、買い手についてはありません。売り手と買い手、どちらが欠けても犯罪は成立しないはずなのに、何故でしょう。規定がないなら、せめて売り手の従犯(幇助犯。主犯の犯罪実行を手助けする犯罪)として罰するべきなのではないでしょうか?
必要的共犯であるにもかかわらず処罰規定が置かれていないのは、「立法者がその処罰をしない意思をあらわしている」と理解されています。したがって、従犯として処罰されることもありません。処罰されない実質的理由は犯罪の類型・性質によって異なりますが、一般にそのように解釈されています。最高裁判所も同様の立場をとります。
違法コピー物の売買もその一例です。買い手を処罰する規定がない以上、買い手が処罰されることはありません。共犯規定で処罰されることもありません。「知って買った場合と、知らずに買った場合」(相談文参照)の違いもありません。
ただし、買ったものをさらに売買したり、加工して販売したりすれば、その行為は新たな犯罪行為となります。変造テレカなども、買うだけでは罰せられませんが、使用すればその行為は、「偽造有価証券行使罪」(刑法163条)を構成し、処罰されます。
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