トップページ > なっとく法律相談 > 自動車事故、新車に代えてもらえないのはなぜ?
なっとく法律相談 2004年4月26日 更新
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先日、事故を起こしました。過失割合が、私は1割、相手は9割だそうです。
両者とも保険に入っていたので、ほとんど過失のない私は、
との条件を出しましたが、すべて断られました。
相手からの謝罪も、一切ありません。自分で交渉も謝罪もしない、こんな相手に何か処罰を与えることはできませんか?
(30代:男性)
事故が起きたとき、見も知らぬ保険屋がしゃしゃり出てきて専門用語を振り回す。まるでこちらが加害者でもあるかのように高圧的にモノを言う。事故車には乗りたくないから車ごと替えてほしいといっても、できませんの一点張り。しかも本人からは何の連絡もない。
こんな不愉快な状況に、法律的には2つの問題を見ることができます。今回はあなたの出した条件が通らなかった理由についてご説明したいと思います。
あなたが出した条件を相手方が拒否した理由。それは「金銭賠償の原則」(民法722条1項、417条)と関係があります。
故意や過失によって相手方に損害を与えたものは、それによって生じた損害を賠償しなくてはなりません(709条)。この制度の趣旨は、「損害の公平な分担」です。
被害者としてみれば、どうして「公平に分担」しなくてはならないんだ!悪いのはあっちだ!!と言いたくもなります。しかし、起きたことは仕方がない。被害者が損害を被った分、加害者はそれを補填しましょう、という理念に基づいてこの制度が存在しています。
この制度には、「相手に懲罰を下す」という意味合いはありません。あるなら損害の分の支払いだけでは済まなくなります。それは相手に自分のした行為以上の過大な負担を課すことにつながりかねません。そこで民法は、自分のした行為の結果に限って加害者に責めを負わせることに決めました。懲罰的な後始末は、刑法やその他の特別法に委ねたのです。
そしてその補填は「金銭で行うべし」と定められています。なぜでしょうか。
金銭は誰でも手に入れられるものですから、支払う側のいらぬ調達負担を減少します。また、受け取った方も、金銭で随意に損害の穴埋めにあてることができます。金銭はそのような利便性を持っているため、損害補填の、言わば「道具」として選ばれたのです。
当事者間で別段の定めをすれば、もちろん、その取り決めが優先します。しかし、そのような約束がなかった場合や、当事者が合意に達しなかった場合は、原則に返って金銭で補填がなされます。
あなたの希望、1. 新品の調達や 2. 代替的状態を作り出すことは、「損害の金銭による補填」という枠からはみ出す要求であったのです。
集計期間: 2008年11月23日-11月29日