トップページ > なっとく法律相談 > ある日突然、事務所に監視カメラが!
なっとく法律相談 2004年5月17日 更新
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週明けに出勤すると、事務所の天井から監視カメラがぶらさがって、所内をクルクル見渡すように動いていました。
うちの会社は今まで、防犯体制を全く取っていませんでした。普段は玄関に鍵をかけるだけ。裏口もひとつの鍵だけでシャッターもありません。唯一の防犯対策は所内の電気をつけて帰宅するというものでした(誰かが中にいると思わせるためらしいです)。
ところがなんの事前説明、事後説明もなくカメラが設置されました。営業時間中事務所にいるのは、私ともう一人の職員だけなので、私達を対象に監視されている感が払拭できません。これはプライバシーの侵害、基本的人権の侵害にあたりませんか?
小さな会社(職員10名程)ゆえ、労働組合もありませんし、社長の性格が少し変わっているので文句も言い辛い状況です。
(20代:女性)
近年、防犯(セキュリティー)とプライバシー権の衝突が、様々な場面で問題となっています。
一昔前、「ご近所」が健在だった頃は、人の目が煩わしかったかわり、それが立派な防犯体制の役割を果たしていたのでした。夜中にお隣の木戸が開く音がしただけでも、「こんなに遅く誰か出入りしている」と向こう三軒が気付く暮らしだったのです。
ところが、現代のように隣が何をする人かも知れず、また24時間人間が活動して何の不思議もない世の中では、セキュリティーのためには、ある程度の監視システムが不可欠となってきます。その必要性は無視できないと思います。
しかし、その方法は、どんなものでも許されるわけではありません。とくに、マンションの玄関など出入りの時だけの監視ではなく、特定の場所で長時間の監視がなされる場合は、監視される側の事情も考慮して、目的達成のための必要最小限度に止めるべきでしょう。防犯のためであるなら、退社後・休日だけ作動するよう改善要望書を提出したり、署名を集めるのも一法です。
が、働く人のプライバシーが職場において完全に保護されなければならないかといえば、そうではありません。
更衣室や洗面所など、プライバシーが固く保護されるべき場所を除いて、職場はその性質上、公的な空間です。そのような場所においては、プライバシーは一定限度で放棄されています。勤務態度をチェックするための監視カメラでも、天井に一箇所設置する程度であれば、ビデオに録り、別の目的で使用するなど特段の事情のないかぎり法的に不当とまではいえないと考えます。
監視カメラの設置にあたっての事前事後の説明については、雇用者、監督者としては事情を話して社員に理解を求める方が望ましいとは思います。しかし、法的説明義務があるとまではいえないでしょう。
なお、労働組合は、2人以上職員がいれば結成することができます。この機会に職場仲間で相談されてはどうでしょうか。
集計期間: 2008年8月31日-9月6日