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なっとく法律相談  2001年4月30日 更新

「特別仕様」の自動車を購入したはずなのに!

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Q.

 先日、自動車を購入したのですが、私が思っていた仕様のものと違うものが届きました。

 私は担当者と、特別仕様を前提に話をしていたのに、注文書には、車体番号しか記載されなかったために、通常仕様として扱われたようです。担当者は、特別仕様の場合には、注文書に「特別仕様」と書くので、当然わかっていると思ったとのこと。

 今から特別仕様にすると、かなり費用がかかるとのことですが、販売店の責任で特別仕様にしてもらうことはできないのでしょうか。

(20代後半:男性)

A.

 結論から申しますと、「通常仕様」のものより、「特別仕様」のもののほうが高価であることを前提とする限り、少なくとも、最初に払った代金のみで、「特別仕様」の自動車を手に入れるということは無理です。

 以下、順を追ってご説明します。

 一般的には、どのような内容の契約が成立したかは、社会通念に基き、客観的に判断されるところ、注文書に「特別仕様」の記載がなく、単に車体番号しか記載されていなかったのであれば、社会通念上、「通常仕様」の自動車の売買と判断されるでしょう。

 もっとも、話の流れから、あなたとしては、「特別仕様」の自動車だと思っていたのですから、錯誤無効(民法95条)を主張して、代金を取り戻し、あらためて「特別仕様」の自動車を購入できないかが問題となります。

 錯誤無効の主張が認められるためには、「要素ニ錯誤」があること(同条本文)、すなわち、錯誤がなければご本人のみならず、一般人でもそのような意思表示をしなかったことが必要ですが、これは、認められるでしょう。

 そして、さらに、あなたに重過失がなかったことが必要です(同条但書)。
 重過失というのは、少し注意を払えばよかったのにそれをしなかった、というくらいの意味です。

 あなたの場合、「特別仕様」であることを注文書に注記してもらうべきだったのに、それを怠ったとして過失が認められるといえなくもありません。
 しかし、消費者と販売店という関係からは、注文書の記載方法等については、販売店のほうが知識を有しているといえますから、状況にもよりますが、過失はともかく、あなたに重過失までは認められないでしょう。
 とすれば、あなたは錯誤無効を主張して、契約を白紙に戻して、あらためて「特別仕様」の自動車を購入できることになります。

 ただ、実際には、あなたが、自分としては「特別仕様」の自動車の売買契約だと解釈していたのだということを立証するのが難しいかもしれません。
 書面等がなければ、同伴者等、周囲の人に証言してもらうしかないでしょう。

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