トップページ > なっとく法律相談 > 台風の影響で車に傷がついたけど、これって誰の責任?
なっとく法律相談 2004年9月 7日 更新
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8月30日の台風で、当マンションの屋根の張り板が吹き飛ばされ、マンションの住民の車にキズがついてしまいました。
車の所有者から修理代を請求されています。われわれ管理組合に、修理代支払い義務があるのでしょうか?
(60代:男性)
今年は台風の「当たり年」とかで、時節柄、同様の相談が多く寄せられています。損害を与えた方、受けた方で立場は変わりますが、紛争処理の一助にしていただければと思います。
車の所有者は、「土地工作物の占有者、所有者の責任」(民法717条)を根拠として、不法行為による損害賠償責任を追及しているのだと思われます。
同条は、「土地の工作物の設置または保存に瑕疵あるに因(よ)りて」他人に損害が発生したときは、その工作物の占有者は被害者に損害を賠償しなければならない、と定めています。
そして、占有者が損害の発生を防止するに必要な注意をしていたときも、所有者が代わって賠償責任を負わなければならない(同条ただし書き)、とされています。所有者にとっては大変重い責任です。
「土地工作物」とは、建物、家屋や塀、看板など、不動産やそれに付着しているものをいいます。したがって、屋根の張り板、瓦なども土地工作物の一部です。
もし、屋根が老朽化していたり、張り板が剥がれかけていたのにもかかわらず、それを放置していた、というような事情が認められれば、「設置または保存」に瑕疵があったといえ、管理組合にも責任が発生する可能性があります。
しかし、屋根は通常有すべき安全性があったのに、台風、竜巻のように予期できない強大な自然力が働いて吹き飛ばされたような場合には、占有者であれ所有者であれ、責任を負う義務はないといえるでしょう。
他方、原因が台風であれば全て免責されるとも言えないのです。その当事者において過去にも台風の経験があり、予想される程度の強風に対して屋根に補強を施すなど、充分な備えを施さなかった場合には、予期できる危険に対して充分な防止措置をとらなかったとして、損害賠償義務を負うことがあります。
また、「危険が予期できたか、予期された危険にできるだけの対応をしたか」という問題は、被害者にも無関係ではありません。
台風の影響による被害発生の危険性が高いことが充分予測できたのに、無防備な状態で自動車等を放置していたような過失が認められたときは、過失相殺により損害賠償額が減額されることがあります。
本件においては、台風時における具体的な状況などが明らかではないので一概に結論を出せませんが、参考になさっていただきたいと思います。
集計期間: 2008年7月6日-7月12日