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なっとく法律相談  2004年10月12日 更新

掲示板に誹謗中傷の書き込みが!管理者の責任は?

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Q.

 インターネットで掲示板を管理しています。私の掲示板にAという実在しそうな名前で、中傷などひどい書き込みがなされました。ただ、その書き込みをしたのはAさん本人とは考えにくく、Aさんになりすまし、Aさんを陥れているような感じですが、確信は持てません。
 もしAさんとAを名乗って書き込んでいる人が別人の場合、そのままにしておいてAさんから被害届けが出されたら、管理している人は罪に問われるのでしょうか?

(20代後半:男性)

A.

 インターネットの掲示板に名誉毀損的な書き込みがなされた場合、書き込みをした本人が刑事上・民事上の責任を負うのは当然ですが、管理者もそのような書き込みがなされているにもかかわらず、適切な対処をしなかった場合には損害賠償責任を負うことがあり得ます。

 もっとも、管理者が常に発言を監視し、それを削除しなければならないとしたのでは、管理者の負担が大きすぎますし、他方で、表現の自由憲法21条)との関係でも問題があります。そこで、平成14年5月27日に施行された「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」(いわゆるプロバイダ責任制限法)は、プロバイダ等が責任を負う場合を一定の場合に制限しています。
 なお、同法の対象となる「特定電気通信役務提供者」(同法2条3号)とは、ウェブサーバ等を利用して不特定の者に情報通信サービスを提供する者のことで、プロバイダが典型例ですが、サーバの管理・運営を行っている企業や大学、掲示板を管理する個人などもこれに該当しうると解されています。

 同法は、プロバイダ等が被害者に対して責任を負う場合として、プロバイダ等が掲示板の書き込み等による情報の流通によって、

  1. 他人の権利が侵害されていることを知っていたとき、
  2. または、書き込み等による情報の流通を知っていた場合であって、それによって他人の権利が侵害されていることを知ることができたと認めるに足りる相当の理由があるとき、

の2つを挙げています(同法3条1項)。
 ここで、何が他人の権利を侵害する情報にあたるかが問題となりますが、通常公開されることを欲しないと考えられる住所や電話番号などのプライバシー情報や公益目的でないことが明らかであるような誹謗中傷などはこれにあたると考えられます。

 今回のケースでは、あなたがプロバイダ責任法上の「特定電気通信役務提供者」にあたるか明らかでありませんが、これに準じて考えると、書き込みの内容が誹謗中傷であることから、書き込みがあったことを知りながら、これを放置した場合には、Aさんから損害賠償を請求される可能性があるといえます。

 なお、今回のケースであなたが書き込みを削除した場合、書き込んだ本人から損害賠償を請求される可能性もあり得ます。しかし、この場合でも、

  1. 情報の流通によって他人の権利が不当に侵害されていると信じるに足りる相当の理由があったとき、
  2. または、権利を侵害されたとする者から情報の削除の申出があったことを発信者に連絡し、7日以内に反論がない場合

には、損害賠償責任を負わないとされています(同法3条2項)。上記のように、今回のケースでは、内容が誹謗中傷であることから、仮に削除しても責任を負うことはないと思われます。

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