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なっとく法律相談  2004年10月12日 更新

社員旅行に参加しなかった場合、積立金は返してもらえる?

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Q.

 年一回社員旅行があり、積み立てを毎月給料から天引きの形で行っています。不参加の場合、半分しか返金されません。全額返金を求めるのは無理なのでしょうか。

(30代前半:男性)

A.

 このご相談に対する回答(2004年10月12日メルマガ掲載)に対して、専門家から、「今回のケースでは、労働基準法によって解決が可能ではないか」とのご指摘をいただきました。検討した結果、労働基準法に基づく解決方法のほうが、積立金が戻ってくる可能性が高く、相談者の希望に添っていると考えられるため、以下、労働基準法による解決方法について、専門家からいただいた解説を掲載します。

 お給料から、社会保険料や税金の他に旅行積立金や親睦会費を天引きする会社はよくあります。

 お給料から引かれているという点で、どれも同じように見えるのですが、労働基準法24条では、お給料から天引きできるのは

  1. 他の法令に別段の定めがある場合
  2. 労使協定がある場合

に限定されています。

社会保険料や税金は 1. に該当します。旅行積立金や親睦会費は 2. になります。

 すると、旅行積立金や親睦会費といえども、労使協定がなければ労働基準法違反となり、お給料から天引きした旅行積立や親睦会費は、実際に旅行に行っていたり親睦会の活動に参加していても、会社は全額返金する必要があります。もちろん、会社は全額返金した後、旅行費用や親睦会費用を従業員に請求しますので、結果として、実際にかかった費用の差額だけ返金すればいいことになります。

 ところで、旅行積立金や親睦会費は同じように見えるのですが、親睦会費は親睦会の会費として徴収するものですから、親睦会の活動に実際に参加していなくても親睦会に加入しているというだけで費用徴収の対象となります。また、親睦会の活動に参加しなくとも、原則として返金されません。

 しかし、旅行積立金は、「積立金」ということですから、その性質上、「社内預金」に該当します。
社内預金は大きく分けて

  1. 社内預金を社内で運用する、本来の社内預金
  2. 預金者の通帳を単に預かっているというだけの社内預金

にわかれます。

 簡単な見分け方は、全員分をまとめて、一口で運用している場合(通帳は1冊)は a. です。社内預金者(従業員さん)個人毎の通帳がある場合は b. です。

 a. b. いずれの場合も、法律上いろいろ規制があるのですが、基本的には預金ですので元本保証です。また、所有権は預金者(従業員さん)にあります。したがって、出金の指示も預金者(従業員さん)が行います。預金者(従業員さん)から出金の指示(返金の請求)があれば遅滞なく出金する必要があります(労働基準法18条5項)

 すると、ご質問の

「不参加の場合、半分しか返金されません。」

は、預金者(従業員さん)が全額の出金指示をしたにもかかわらず、半額しか返金されないというのは、労働基準法違反となります。

以上より、

「年一回社員旅行があり、積み立てを毎月給料から天引きの形で行っています」

が、「旅行積立金」ですと社内預金になり全額返金されます。しかし、例えば「親睦会費旅行積立口」等で、親睦会費等として徴収されているのでしたら、会社の取扱いは妥当ということになります。天引きの根拠となる労使協定の有無、積立金の性質について、確認されてみてはいかがでしょうか。

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