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なっとく法律相談  2004年11月15日 更新

社員会議でつるし上げ。慰謝料は請求できる?(パワハラ)

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Q.

 私の会社では週1回社員会議が開かれるのですが、私はその場で何度となく社長につるし上げ同然に名指しで非難・暴言を受けました。しかも、その様子はお客さんにも筒抜けです。このため私の自尊心は著しく傷つけられ、退職するに至りました。社員会議の内容は会社のパソコンに保存されている議事録を見れば明らかです。
 この社長の行為に対して、慰謝料の請求はできるのでしょうか。

(20代後半:男性)

A.

 相談者の方のような事例は、従来、日常的に行われてきており、あまり問題視されてきませんでしたが、最近では、パワーハラスメントパワハラ)としてとらえるようになってきました。
 パワーハラスメント(power harassment)とは、「職場において、上司が職務権限を背景に部下に嫌がらせや強制をすること」をいい、仕事の失敗を必要以上にののしる、就業後の飲食などのつき合いを強制される、などが代表例とされています。上記の定義から、セクシャルハラスメントもパワーハラスメントの一種ととらえることもできます。
 難しいのは、正当な業務命令や教育との区別ですが、精神的な苦痛を与えることを主目的としていたり、人格を否定するような発言内容の場合には、パワーハラスメントにあたると考えられます。

 パワーハラスメントを認めた裁判例は多くありませんが、代表取締役から「お前は馬鹿か、馬鹿は馬鹿なりの仕事をしろ。」とか、休憩時間に休憩を取っていると、「やることが遅いし、手順が悪いのだから、休憩なんかしていないで、さっさと仕事をしろ。」などの暴言が浴びせられた事案(名古屋地裁平成16年7月30日判決)や、休暇をとる際の電話のかけ方のような、申告手続き上の軽微な過誤について、執ように反省書を作成するように求めたり、後片付けの行為を再現するように求めた事案(東京地裁八王子支部平成2年2月1日判決)について、不法行為に基づく慰謝料請求(民法709条710条)が認められています。
 これらの事例では、上司の言動や指導が「社会通念上許容される範囲を超えた」といえるか、「従業員に対する指導監督権行使の裁量の範囲を逸脱するもの」といえるかが、判断のポイントとなっています。

 あなたの事案が、上記のケースと同様の違法性を有しているか明らかではありませんが、仮に有していたとすれば、損害賠償の請求も可能です。この場合、社長の行為は業務上なされたものといえるため、使用者である会社に対しても責任を追及することができます(民法715条)。
 実際に訴訟などの手続をとろうとする場合、会社からの報復を恐れて居合わせた人が証言を拒むことも考えられますから、証言を録音したり、議事録のコピーを手元に保存しておくなどして、証拠を確保しておく必要があるでしょう。また、議事録改ざんのおそれがある場合などは、訴え提起前の証拠収集の処分を求めるなどの方法をとる必要もあるかもしれません(民事訴訟法132条の2以下)。

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