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なっとく法律相談  2005年2月15日 更新

職場での健康診断

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Q.

 職場での健康診断を、県の「検診センター」でおこなっています。
 ところが、毎年必ず採血時に失敗し、腕が曲がらなくなる人が数人出る始末です。ひどい人は病院に行かなければならなくなっています。
 検診センターにも職員課にも抗議し、医療費を負担するように言ったのですが、たらい回しで誤魔化され、結局、自腹になっています。
 職場の健康診断で起きた事故の責任は、いったい誰が負うのでしょうか?

(40代:女性)

A.

 職場での健康診断で事故が起きた場合に生じた損害につき賠償を求める方法は、二つ考えられます。
 ひとつは労働者災害補償保険による方法です。
 労働者災害補償保険(一般に「労災保険」といいます)とは、労働者が業務上の事由や通勤途上起きた事由により、負傷したり病気にかかったり、あるいは死亡した場合に、被災労働者や遺族を保護するため必要な保険給付を行うものです。また、労働者の社会復帰の促進など、労働者の福祉の増進を図るための事業も行っています。
 職場で行なわれる定期健康診断は、労働安全衛生規則第44条に基づき、常時使用する労働者に対して、1年以内ごとに1回、定期的に医師による健康診断を実施することが義務付けられているものです。
 また、事業主は、一般健康診断および特殊健康診断を実施した際に、その結果を従業員に通知する義務があります。結果が思わしくない場合には、その必要があると認めるときは労働者に対して就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮等の措置を講じるなど、定期健康診断の結果についても適切に対応すべき法律上の義務を負っています。
 したがって、定期健康診断によって、あるいは受診の際に起きた事故についても、労災保険による救済を受けることができます。

 もうひとつは、民法上の損害賠償請求による方法です。
 医療過誤事件において、医療機関側の故意・過失を証明するのは、素人である患者には困難が伴うとされています。しかし、毎年、複数人に同じ症状が起きていて、しかも採血時の作業によるものと原因も明らかであるという事実関係の下では、医療機関側の責任を追及することは十分可能です。
 この方法をとる場合、本来ならば、検診を委託した職場が、医療機関に対し、不十分な措置を行なったことにつき責任追及をすべきなのです。しかし、職場が動かないのであれば、被害者である職員が自ら行動を起こすしかありません。それには、各自がバラバラに苦情を言い立てるのではなく、被害の実態、かかった医療費など証拠となるものをまとめて、弁護士に依頼するなどしかるべき方法で責任追及することです。
 なお、医療機関の不十分な措置を故意に黙認し、毎年同じ医療機関を利用し続けていたというような場合には、職場に対しても責任追及することが可能です。

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