トップページ > なっとく法律相談 > 封をしてある雑誌、開封すると器物損壊罪?
なっとく法律相談 2005年3月 1日 更新
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コンビニの店員です。最近、販売している青年向け雑誌(いわゆるエロ本)をトイレに持ち込んで読む客がいます。
困ったことに、読んだあとはトイレ内に放置して帰ってしまうので、万引きとして捕まえることもできません。
東京都の条例により、青年向け雑誌には閲覧できないようにテープで表紙を固定してあります。それを破って見る行為は器物損壊と考えていいのでしょうか?
(20代:男性)
刑法は、他人の財物を窃取する行為を、窃盗罪(刑法235条)として10年以下の懲役を科しています。そして、窃盗罪が成立するためには、「財物」の占有を「自己または第三者に移転」することが必要とされています。
たとえば「自転車を一時借用して乗り回した後、元に戻しておく行為」について考えると、自転車の一時使用によって得られた利益は「財物」とはいえず、また自転車自体を盗ってきたわけでもないので、窃盗罪として処罰することはできません。このような行為は「利益窃盗」といわれ、現行法上は原則として不可罰です。
トイレ内に雑誌を持ち込んで読んだ後、元の場所に返しておく行為も、窃盗罪の成否という問題では、利益窃盗として不可罰といわざるを得ないでしょう。
しかし、封をしてあるテープを破る行為は、器物損壊罪(刑法261条)にあたります。
器物損壊罪は、他人の物を損壊し、また傷害する行為を罰する罪です。本罪は人の生命・身体に対する行為と異なり法益侵害が軽微にとどまることが多いため、親告罪であり(刑法264条)、また、過失犯規定もありません。ですから、「うっかりして壊してしまった」というような場合には不可罰です。
しかし、この事例では、トイレに持ち込んでテープを切りその後放置するという態様から故意になされたものであることが明らかですから、器物損壊罪に該当すると考えられます。
集計期間: 2008年8月24日-8月30日