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なっとく法律相談  2005年3月 7日 更新

強盗と窃盗の違いって?

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Q.

 お寺から文化財を盗んだとして、容疑者が窃盗で逮捕されたという事件が報道されていました。
 寺社では本尊などを無防備においているものと相場は決まっていまして、それに目をつけて盗みをはたらく悪漢が窃盗罪くらいで済んでしまうのは許せないなあ、と思った次第です。
 強盗の罪に問うことはできないのでしょうか。強盗と窃盗の違いを教えて頂きたいのですが。

(30代:男性)

A.

 窃盗罪は、「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役に処する。」(刑法235条)、一方、強盗罪は、「暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、5年以上の懲役に処する。」(刑法236条1項)と規定されています。
 この二つの罪は、相手の意思に反して財物を奪うものであることでは同じですが、暴行脅迫を手段とするか否かという点で、大きく異なります。

 強盗罪における暴行・脅迫は、通常の「暴行・脅迫」とは違い、相手の反抗を抑圧する程度に強いものでなければならない、とされています。すなわち、強盗では、人の身体・自由という、刑法上最も保護されなければならない法益の侵害があることが想定されているのです。
 したがって、高価な物を悪質な手段で盗んだとしても、侵害された法益が財物にとどまるかぎり、強盗罪に問疑されることはありません。ただ、財物の値打ちや盗みの手口が、10年以下という期間の範囲で量刑に反映されるのです。
 お寺から仏像を盗む行為も、単に忍び込んで持ち出したにとどまるならば、客体が財産的価値の高い文化財であっても強盗となることはありません。

 逆に、価値が低い財物であったとしても、暴行・脅迫を用いて強取したならば、強盗罪が成立します。
 たとえば「ひったくり」行為によって取られたカバンに何も入っていなかったとしても、オートバイなどを利用して走りながら奪う場合には生命・身体に重大な危険を生じさせるおそれのある暴行を用いたといえるため、強盗となりうるのです。
 その結果、被害者に傷害を負わせれば、強盗致傷罪刑法240条)となり、無期懲役まである重い罪となります。

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