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なっとく法律相談  2005年3月22日 更新

共同で建てた家の権利は誰にある?

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Q.

 主人名義の家に、私達夫婦と子供2人、主人の両親と義弟で住んでいます。
 1階に私達家族と義弟の部屋があるのですが、子供が大きくなるにつれ手狭になってきたため、義弟には1階の部屋を利用してほしいと思っています。
 しかし、両親と義弟は、家を新築したときに義弟が500万円負担したことを理由に、二階の部屋を利用する権利を主張しています。
 500万出した義弟には、家に対して権利があるのでしょうか? 新築時には主人も1,000万ほど負担しているので、義弟の主張には納得がいきません。

(30代:女性)

A.

 新築した家は、一体誰のものなのでしょうか。
 民法177条は、第三者に対する関係では、名義人は自らが所有者であることを主張できると定めています。
 したがって、義理の弟さん(仮にAさんとします)が「第三者」に当たるならば、登記名義人であるご主人はAさんに家の所有権を対抗することができます。
 所有権は、その物に対する排他的・絶対的な権利なので、ご主人が所有者だとすれば、所有権を脅かす者に対して、家屋からの退去を求めるなどの法律上の請求をすることができそうにも思えます。
 しかし、この場合の「第三者」とは、一般に使われる「他人」という意味ではなく、不動産登記の有無を争う関係、すなわち不動産の所有権を相争うような関係の第三者をいうとされています。たとえば、隣家の所有者が、「不動産屋からお宅の家を買った。だからその家は私のものだ」と主張するような場合です。
 ご主人とAさんは、何も家の所有権を争っているわけではありませんから、不動産の名義が有ることは、Aさんの「2階の部屋を使わせろ」との主張を封じる決定的な根拠とはなりません。

 では、家の利用権は誰にあるのでしょうか。
 新築にあたり、ご主人は1,000万円負担したということですが、それもご主人に家屋の独占的利用権があることの根拠とはなりません。
 その論法でいくと、Aさんも500万円負担しているので、家の3分の1の利用権を有するという結論になるはずです。「半分以上出したから全部こちらのもの」という理屈も、認められません。

 これが、たとえば「共同で事業をするために資金を出し合って不動産を購入したが、利用権については何も取り決めていなかった」というような場合なら、出資の額に応じて不動産に対する権利が確定されるという結論に落ち着くでしょう。
 しかし、親族が共同生活をするような場合には、新築資金を負担することについて、もっとデリケートな話し合いがなされているはずです。たとえば、両親の面倒をみることを条件として名義を兄夫婦にするとか、資金の一部を負担するかわりに、弟は家屋の一部を事務所として使うことができる、などです。
 このような取り決めは、証拠が何もない口約束であることが多く、相続などをきっかけに思わぬ紛争となることがあります。
 新築資金の負担に際し、家屋の利用の仕方について何も取り決めていなかったのなら、この機会にきちんと話し合い、内容を、できれば書面にしておくことをお勧めします。

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