トップページ > なっとく法律相談 > 借用書がない借金の返済義務
なっとく法律相談 2005年3月29日 更新
トラックバック(0件) ブックマーク:
(0)
(0)
(0)
2年半前に母が亡くなりました。先日、「母の友人」という人から、「お母さんにお金を貸していたので返してほしい」との連絡がありました。
その人の話によると、母に「息子がお金に困っている」と相談を持ちかけられ、300万円貸した。本人の死後、急にこんなことを言い出すのはためらわれたので、今まで黙っていた。しかし、お母さんはあなたのために借りたのだから、あなたが返してほしい。友人の間柄だったので、借用書は交わしていない…とのことでした。
話を聞いてみると、母や私のことを知っており、懇意だったことはうかがえます。しかし、私は面識がありませんし、私が母から援助を受けた事実もありません。
本当に母が迷惑をかけていたのなら、息子としてきちんとしたいという気持ちはあるのですが…どう対応したらよいでしょうか?
(40代:男性)
相続人は、原則として、被相続人の法律上の権利義務を包括承継します(民法896条)。したがって、相続放棄などの特別の手続をとらない限り、お母さんの残した借金は、相続人たるあなたが返済義務を負います。
しかし、当たり前のことですが、借りてもいない金銭まで返済する義務などありません。
金銭消費貸借契約に基づいて貸金返還請求をするならば、貸主だと主張する者が、契約の存在を明らかにしなければなりません。
もちろん、契約書(借用書)を作成していなかったり、紛失したり、というのは、親しい間柄ではありうることです。しかし、その場合には、金銭の受け渡しの状況(何年何月何日何時ごろ、どこで、どのように金銭の受け渡しをしたか)、返済の約束はどのように取り決めたか――などを説明するべきです。
特に、返済の約束は重要です。金銭の受け渡しをしていても、返済の約束がないのなら、贈与だった可能性もあります。また、返済期日が分からなければ、利息の計算もできません。そもそも、すでに返済期日が到来しているかどうかも分かりません。
今の時点では、あなたがご自分からなすべきことはないと考えます。
「故人は息子のためにお金を借りた」という理由がたとえ本当だったとしても、契約の存在を立証することが、息子の義務となるわけではありません。
集計期間: 2008年5月4日-5月10日