トップページ > なっとく法律相談 > 内縁の妻が夫の死亡保険を受け取るには?
なっとく法律相談 2005年4月25日 更新
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私達は事実上の夫婦として生活しています。今後も入籍するつもりはありません。
ただ、お互いそれなりの年齢になり、老後のことなどを考えるようになりました。
本人は、万一のとき、残された私が困らないようにと、私を受取人にした生命保険に加入しようとしてくれています。しかし、保険会社に問い合わせても、「受取人は配偶者様です」との回答しか返って来ません。
私が保険金を受け取れるような方法はないのでしょうか?
(30代:女性)
最近は男女の関係についても価値観が多様化し、必ずしも法律婚にとらわれず、自分たちの希望する形で共同生活を送るカップルが増加してきました。このような状態を、内縁関係といったり、事実婚とよんだりしています。
しかし、わが国では法律婚主義が採用されていますから、法律上の夫婦とまったく同様に生活し、対世間的にも一対の夫婦としてふるまっていても、婚姻の届出をしないかぎり、法律上の夫婦とは認められません。
では、事実婚のカップルが法律の保護をまったく受けられないのかというと、そうではありません。
たしかに、今までは、司法による判断が必要になった場合に、内縁関係にある男女(またはその一方)には冷たい態度が取られる傾向にありました。法律婚こそが、正当な、また望ましい男女関係であると強く考えられていたのです。
しかし、現在では、本人たちの意思や事情によって内縁関係にとどまるカップルにも、事実上の夫婦としての実情を重視し、保護する判断がなされるようになってきました。
逆に、入籍さえしていれば、結婚生活の実態はどうあれ、法律上の夫婦であることを盾にとって法律上の保護を受けられる、ともいえなくなってきました。つまり、形式ではなく、実質的は判断がなされるようになってきたのです。
しかし、何がどうあってもこれだけは法律上の夫婦であることが優先されるというのが、相続の問題です。如何に両人にこまやかな愛情があろうとも、内縁関係では相続が認められません。
保険会社は、保険金詐欺を警戒し、夫婦でない男女が互いを受取人に指定することを認めません。以前は、いわゆる「愛人保険」(愛人に相続財産の代わりに保険金を受け取らせるよう加入する保険)といわれるような寛容な手続もあったようですが、悪質な保険金殺人などが多発する中、受取人を親族に限定したようです。
保険金を内縁関係にある者に保険契約上受け取らせることは、このように大変困難です。
が、相続人がいない場合なら、迂遠な方法ですが、手立てがないことはありません。それは、受取人を被保険者自身にしておく方法です。
被保険者の死亡により、通常は相続人が受取人としての地位を承継し、保険金を相続します。しかし、他に相続人がいない場合には、特別縁故者に相続財産が分与されるという制度があります。
特別縁故者とは、被相続人と生計を同じくしていた者、被相続人の療養看護に努めた者、その他被相続人と特別の縁故があった者をいいます。代表的な例としては、被相続人の内縁配偶者や事実上の養子などがあります。
手続は民法の規定に基づき、家庭裁判所に分与の申立てをして行います(民法958条の3)。
集計期間: 2008年5月4日-5月10日
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