トップページ > なっとく法律相談 > 大学と結んだ資格講座の契約。解約はできないのでしょうか?
なっとく法律相談 2005年5月24日 更新
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2005年4月、大学で開講されることになった資格講座に、受講を申し込みました。この講座は、資格予備校と大学が契約をして、予備校から大学に講師が派遣される形で行われているものです。期間は1年間、受講料は30万円です。
しかし、家庭の事情で受講することができなくなったので、2回目が終わった時点(8日後)で、以後の受講を取り消してもらうことにしました。
まず、予備校に問い合わせをしたところ、初期段階のキャンセルは許されると思う、とのことでした。しかし、大学はキャンセルを拒否しています。どうにかならないものでしょうか。
(20代:女性)
大学で開講される資格講座の仕組みは、例外もありますが、およそ次のようになっています。
まず、予備校が大学に講座の開講を企画として提案する、あるいは、大学が各予備校に大学での講座の開講を希望し、大学が候補となった予備校のうちの一校を選ぶことにより、大学と予備校の間で契約が交わされます。
大学は、講座開講・運営にかかる費用(派遣講師に払う報酬、教材の作成費用など)を予備校に支払います。大学は、受講希望者から受講費用を集めて予備校への支払いにあてるのですが、講座開講にかかる費用は大学の持ち出しになることも、よくあります。
予備校としては、大学と契約をしているだけなので、個々の学生のキャンセルや、受講費用返還などには、その限りで関係を持ちません。
以上より、学生が講座の受講契約を締結した相手は、大学ということになります。
このように、大学は、講座開講にかなりの手間と費用をかけています。そうまでして資格講座を開講する理由はなんでしょうか。
それは、資格取得をバックアップすることにより、学生の勉学をサポートし、学生の質を向上させること、そして、それは就職活動の成功に結びつき、結果として大学自体の評価を高めることになるからです。それが、次年度以降、質の高い新入生を確保することにつながります。
しかし、大学は研究機関であるため、資格取得のためのノウハウを持っていません。それで、その道の専門である資格予備校に、講座の開講・運営を委託するのです。
ここで、学校法人の性質を考えてみます。
学校法人は、公益法人です。公益法人とは、要するに、金儲けを目的としない法人のことです。
一般的には、公益法人とは、民法34条に基づいて設立される社団法人及び財団法人のことを指しますが、民法以外の特別法に基づいて設立される公益を目的とする法人も、便宜上、「広義の公益法人」ということがあります。
教育、福祉、医療などという公益の達成のために活動する団体がそれで、社会福祉法人(社会福祉法)、宗教法人(宗教法人法)、医療法人(医療法)等があります。学校法人も、これに含まれます。
もちろん、公益法人といえども、収支のバランスを度外視するわけには行きません。しかし、営利を目的とせず公益の達成を旨とする以上、およそ謙抑的であるべきなのです。
あなたと大学の受講契約も、有効に締結された以上、その内容に一定の拘束力が生じるのは認めざるを得ません。
ご存知のように、学習塾や語学教室などでの継続的役務の提供については、特定商取引法により特別の保護が消費者に与えられています(41条以下)が、大学が在校生を対象に、教育上の配慮として開講する資格講座についても同法による規制が及ぶかについては難しいところです。
しかし、たとえ法律の文言上は適用が困難な場合であっても、それを盾に取って一切返還を認めないのは、権利の濫用にあたります(民法1条3項)。
大学は、学生の利益を第一義に考えるという建前であるはずなのですから、学生が講座に出席できなくなった理由、事情等に配慮して、可能な限り受講料返還に応じるべきと考えます。
集計期間: 2008年5月4日-5月10日
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