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なっとく法律相談  2005年5月30日 更新

夫の不倫相手と交わした念書の効力

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Q.

 主人が不倫していることが分かりました。相手の女性も関係を認めたので、女性から慰謝料として100万支払って頂くことで決着がつきました。私とその女性は今後一切接触しないと、念書も交わしました。
 私と主人は離婚に至らず、現在も同居していますが、不貞行為は許すことができず、責め続けてしまう毎日です。
 そんな中、主人が、「自分も相手の女性に文句がある、会いに行く」と言い出しました。
 そんなことをして、訴えられたりしないのでしょうか?

(30代:女性)

A.

 「念書」とは、一般的に、一方当事者が他方当事者に対して何らかの義務を履行することを約して差し入れる文書とされています。
 念書によって、念書を差し入れた側が、記載された内容を一方的に約したことは明らかになります。しかし、当事者双方の関係や、念書記載の事実がどのような経緯で起こったのか、ということなどは、必ずしも明らかでない場合が多いようです。

 これに対し、「契約書」は双方が合意して作成されたことが前提となっており、その意味で両者は対等な関係に立つ、いうことができます。
 しかし、念書といい、契約書といっても、その呼び方で法律上の効果が決まるわけではありません。大切なのは、あくまでその文書に表れた内容です。

 本件では、「不倫相手の女性が慰謝料を払い、妻と女性は今後一切無関係となる」ということが約されているようです。すなわち、相手の女性は慰謝料を支払う義務を負い、妻は今後相手に一切の接触、要求をしないという義務を負うことを、互いに合意しているのです。つまり、この文書では、お互いに権利義務を負うことで合意をみているので、「念書」と書かれていても、その内容は「契約」である、と考えることができます。

 お互いに権利義務を負う契約を交わした以上、その内容に当事者は拘束されます。契約を守らなければ、債務不履行責任民法415条)を問われます。
 契約の内容に「夫も連絡を取らない」ということも含まれていたのか、相談文からは明らかではありません。しかし、契約内容の合理的解釈として、夫も連絡を取らない義務を負ったものと考えるべきでしょう。
 相手の女性が訴えに及ぶかどうかは何とも言えませんが、連絡を取ることは避けるべきです。

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