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なっとく法律相談  2005年5月31日 更新

失くした証拠

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Q.

 資格取得のため専門学校に通っています。
 先日、講義をICレコーダーで録音していました。すると、ある受講生が私のICレコーダーを手に取り、「これ、俺が前に失くしたのと同じ機種なんですよね。製造番号見ても良いですか?」と言って、いきなり電池を外そうとしました。
 その無礼な行動に腹を立てた私は、直ぐに奪い返して、無視して家に帰りました。しかし、家に帰って鞄の中を確認するとICレコーダーがなくなっていました。
 次の補講のときに、また同じ人が来て「なぁ、製造番号だけでも見せろよ」と言ってきました。私が「失くした」と言い返すと、「なんで嘘をつくかな?警察に訴えるからね」と言ってきました。
 私には、【盗んだ証拠】はないけど、【盗んでない証拠】もありません。さらに、ネットオークションで買ったため、箱も説明書も付属品もありません。どうしたらいいのでしょう?

(20代:男性)

A.

 あなたを疑っている受講生が、もし実際に行動を起こすとすれば、警察に被害届を出す、あるいは告訴するか、民法上の不法行為で損害賠償を請求するか、いずれかとなります。
 警察に被害届が出された場合、警察は所定の捜査を行わなければなりません。その場合、警察は、あなたに捜査に対する任意の協力を求めます。
 これに対し、あなたは協力してもよいし、協力しなくても構いません。例えば、ICレコーダーをオークションで買った経緯などを説明してもいいですが、自分の潔白を証明するために積極的に何かをしなければならない、ということはありません。あなたが罪を犯したことを証明するのは、警察の仕事です。窃盗であれば、捜査機関側が、あなたがいつ・どこで・どのように盗んだかを明らかにしなければならず、あなたはそれに対し、最低限の防御をするだけでよいのです。告訴された場合も同様です。

 不法行為に基づいて損害賠償を請求された場合も、訴えが提起されてはじめて行動を起こせばよいのです。そしてこの場合も、あなたが不法行為を行った事実、損害額等を立証するのは、訴えを起こす側の責任とされています。
 「していない」ことの証明は大変困難であり、ある意味では不可能ともいえます。したがって、立証責任は「した」と主張する方が負わなければならないのが、原則なのです。

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