トップページ > なっとく法律相談 > 借金返済のためにホストクラブで働かされる!
なっとく法律相談 2005年6月27日 更新
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友人(18歳)が7月20日から11日間ホストクラブで働くことになりました。原因は、その友人がお金に困り、ホストクラブの人に手付金としてもらった7万円を使ってしまったからです。その結果、借りたお金を返済するために、その店で働くことになったそうです。
しかし、店の関係者は怖そうな人ばかりで、11日間の勤務を終えてもそのまま働かされそうだと言います。友人は、返済分働き終わったら、確実にホストクラブを辞めることができるのでしょうか?
(20代:女性)
まず、そもそも未成年者がホストクラブのような風俗業で働くことが許されるのか、という問題があります。
使用者と被用者の関係についての基本的規律は、労働基準法が定めています(短期間のアルバイトであっても、およそ雇用契約である限り、労働基準法が適用されます)。この法律では、満15歳に満たない児童を雇用することは、原則として禁止されています。しかし、例外として、満12歳以上の児童であれば、児童の健康や福祉に有害でない軽作業に限って、雇用することができます(労働基準法56条)。
その際、使用者は、その児童の修学に支障のないことを証明する学校長の証明書と、親権者(父母)の同意書とを備えつけなければなりません(労働基準法57条2項)。また、使用者は、その未成年者の雇用につき、労働基準監督署の許可を得なければならない(労働基準法56条2項)とされています。さらに、深夜業(午後10時~午前5時)や危険有害業務等、バーのホステスなど酒席に侍する業務、ダンスホールその他特殊の遊興的接客業務などでは、満18歳未満の者を雇用することは許されないとされています(労働基準法61条~64条・年少者労働基準規則8条・風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律22条、児童福祉法34条)。
友人は18歳ということですから、これらの規制にはかかりません。しかし、労動基準法には、使用者が、未成年者の無知・未経験等に乗じて、不利な契約を押しつけている場合には、親権者や労働基準監督署において契約を解除することができる(労働基準法58条2項)、という規定もあるのです。
ホストクラブでの労働条件がどのようなものか、ご相談文からは明らかでありません。しかし、「使い込んだ金の返済のため」という事情から、通常の条件より劣悪であることが容易に予想されます。したがって、たとえ本人が働くことに同意している場合でも、この規定により契約を解除することができるでしょう。
また、「借金を賃金から棒引きにする」という契約は、賃金現金払いの原則(給与は、諸税や労使で協定を結んだものの他は、控除せずその全額を労働者に支払わなければならないという原則)にも反します。さらに、賃金は、直接本人に渡さなければなりません。取立て屋などに賃金を渡すことは、禁止されています(労働基準法24条1項)。
最後に、このような契約は、そもそも公序良俗(民法90条)に反する疑いがあります。公序良俗に反する契約は無効であり、いかなる拘束力も持ちません。したがって、店側が約束違反等を理由に、詫び料、損害賠償金の請求をしてくることがあっても、一切支払う必要はありません。
以上の理由から、本件ホストクラブで働くことは、絶対にお勧めできません。たとえ一所懸命働いても、諸費用などの名目で賃金を差し引かれ、借金返済どころではなくなるおそれもあります。借金は、他のアルバイトをして返済すればよいのです。
集計期間: 2008年7月27日-8月2日
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