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なっとく法律相談  2005年6月28日 更新

新居を買ったのに婚約破棄された!

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Q.

 従兄弟は6月に結婚予定で、新居にする予定の住宅を購入していました。ところが、相手が、性格の不一致を理由に婚約を破棄しました。それはそれで、仕方のないことですが、問題は購入した家の処分です。
 家の購入に関するお金は、ローンも従兄弟が組み、頭金も全て出しています。しかし、結婚が前提だったので、名義を1/10だけ彼女のものにしていました。現在その家に彼女が住んでおり、今後も住み続けたいとのことです。
 そこで、従兄弟が購入価格での買取りを要求したところ、「(人が住んでいるので)もはや中古住宅」を理由に、購入時の価格での買取りを拒否されました。自分の都合で婚約を破棄し、その上、自分が住んだために「中古」になった住宅なのに、彼女の言い値は購入価格より600万円低い価格でした。

 こちらとしては、慰謝料を請求しても良い立場だと思うのですが、従兄弟はそれはしたくないようで、せめて、家を購入時の価格で買い取ってもらいたいと思っています。
 しかし、彼女の言うとおり「中古」なので購入時の価格で買い取ってもらうことは不可能なのでしょうか? 住んでもない家の為にローンを払っている従兄弟が可哀想でなりません。

(20代:女性)

A.

 婚約当事者の事情はどうあれ、一度入居した建物が「中古」として査定されるのは、やむを得ないことです。登記上10分の1なりとも彼女の所有名義になっていることもネックです。
 しかし、これを「履行の終わった贈与」とみて取消せない(民法550条)としても、当事者の情誼関係が破綻消滅し、贈与の効果をそのまま維持存続させることが、信義公平の原則上不当と解されるときは、贈与者の贈与物返還請求を認めた下級審判例があります。この例によれば、彼女は持分を返還し、自分も建物から出て行かなければならないことになります。
 また、本来ならば婚約不履行で慰謝料を請求されても仕方がない立場にありながら、また自分が建物に住むことによって得ている利益を支払うことなく中古を理由として格安値での買取を主張することは、信義則違反民法1条)として認められないと考えます。

 今、従兄弟さんがローンの支払いを止めれば、建物は競売にかかり、彼女は出て行くか、あるいは家を競売価格で買い取るか、いずれかを選択しなくてはならなくなります。
 債権者の意向もあることでしょうから、一概には言えませんが、一度三者で話し合う機会を持ち、それでもまとまらなければ調停にかけることをお勧めします。彼女の経済力によっては、ローンの名義だけを変更することも可能でしょう。
 最終的には訴訟によって決着をつけざるを得ませんが、彼女が中古価格で買い取らせる権利はどこにも無い、ということはたしかです。

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