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なっとく法律相談  2005年8月 8日 更新

市が勝手に預金を差し押さえ?

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Q.

 私の娘の平成16年度の住民税が未払いとなっており、何度か督促を受け、電話にて分割払いを希望したところ、「分割の支払書」を送るとの返事を受けました。その後も支払書が届かないので、そのままにしておいたところ、ある日突然、個人の口座からいきなり「差し押さえ」とのことで引き落とされました。

 この件を役所に問い合わせて結果、

  1. 督促を何度か行っているので、差し押さえは問題ない。
  2. 分割の支払書が届かなかったのに、何の連絡もしなかったのが悪い。
  3. 個人の口座を差し押さえるのは、法律上問題ない。

との回答でした。

 住民税を支払わなかったこちらにも落ち度はありますが、勝手に個人の預金口座を調査し、何の連絡もなく預金を差し押さえるなんて納得がいきません。このようなことは許されるのでしょうか?

(50代:男性)

A.

 地方税である住民税が滞納された場合の手続については、地方税法329条以下に規定が置かれています。これによると、(1) 納付期限後20日以内に督促状を発し(329条1項)、(2) 督促状を発した日から10日以内に税金を納付しない場合には、滞納者の財産を差し押さえることができます(331条)。差し押さえられた財産は換価され、税金の納付に充てられます。これらの一連の手続を滞納処分といいます。
 また、徴収職員は、滞納処分のために滞納者の財産を調査する必要があるときは、その必要と認められる範囲内において、滞納者や滞納者の債務者(預金がある金融機関はこれにあたります)などに質問をし、帳簿または書類を検査し、さらに捜索を行うこともできます(地方税法331条6項による国税徴収法141条以下の準用)。

 これらの差し押さえや質問・検査については、法律の規定に基づいて行われ、裁判所の関与を必要としません。このため、差し押さえの前に裁判所から連絡がくるということもありません。市町村によっては、督促状のほかに「催告書」や「来庁要請書」、「差押の予告」といった文書を差し押さえの前に送付することもありますが、これらは各市町村が自主的な税金の納付を求めるために送付するものであって、これらを送付しなかったからといって手続に反するというものではありません。

 ただし、地方税の納付が困難な場合には、地方公共団体の長は、納税者の申請に基づき、納付の猶予や分割による納付を認めることができるとされています(地方税法15条)。また、滞納者に財産がない場合や滞納処分が執行されることによって、滞納者の生活が著しく窮迫する場合には、滞納処分の停止をすることもできます(地方税法15条の7第1項)。さらに、執行の停止が3年間継続すると、納税義務が消滅します(同条4項)。

 今回のケースでは、分割の支払書が届かなかったという事情はあるものの、納付の猶予は本来納税者から申請しなければならないものですから、自治体の担当者が支払書を送らずに滞納処分をしたとしても、処分そのものが不当とまではいえないと思われます。

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