トップページ > なっとく法律相談 > 前妻との子に、遺産を分けなければなりませんか?
なっとく法律相談 2005年8月23日 更新
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私は後妻ですが、夫には前妻との間の子が一人います。私が一人っ子であるため、彼は私の両親と養子縁組したあと、私の夫になりました。
結婚したとき、彼には財産といえるようなものは何もありませんでした。彼が今もっている財産は、実質的には総て私の両親からもらったものです。その財産が、相続という形で前妻との子に渡るのは納得できません。
夫が亡くなった場合、前妻との子にも相続権が生じるのでしょうか。
(20代:女性)
日本における養子制度は、江戸時代以来、家の承継を目的として利用されてきました。明治民法では、「家の中に法定推定家督相続人である男子がいる場合には、男子を養子にとることはできない」という規定がありましたが、養子縁組の性質をよく表しています。
現在の日本の養子制度の利用形態を見ても、跡継ぎや扶養を目的とする「成年養子」が最も多くなっていますが、この性質は、養子や養子の子に認められる相続権にも反映されています。
養子は、縁組成立の日から、養親の嫡出子としての身分を取得します(民法809条)。そして、同じ日から、養親及び養親の血族との間に、血族間におけるのと同様の親族関係が生じます(民法727条)。これを「法定血族関係」といいます。
法定血族関係は、養子だけに、養親側の家族としての身分を取得させる制度です。したがって、縁組後に生まれた養子の子は養親の家族となりますが、縁組するときにすでに生まれていた養子の子は、養親の家族と認められません。
したがって、あなた方夫婦の間に子どもがいれば、その子は養親(あなたのご両親)側の家族として、相続権を持ちます。しかし、夫の養子縁組前の子は、養親の家族とは認められないので、相続権がありません。
また、ご両親より先にあなたの夫が亡くなった場合も、その子はご両親との間に法定血族関係がなく、直系尊属にあたらないため(民法727条)、代襲相続も認められません。
代襲相続とは、被相続人の死亡以前に相続人となるべき子や兄弟姉妹の死亡、相続欠格、相続排除によって相続権を失ったとき、その者の直系卑属がその者に変わって、その者の受け取るべき相続分を相続することです(民法887条2項)。この制度は親である相続人を通じて相続利益を受ける子など、直系尊属の利益を保障する制度であるため、法定血族でない養子縁組前の子には認められないのです。
もっとも、普通養子縁組によっては夫と実親の関係が消滅するわけではないので、養子縁組前の夫の子と夫、実親の間で認められる相続関係には影響がありません。また、前妻の子としての相続権も失うことはありません。
集計期間: 2008年11月23日-11月29日
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