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なっとく法律相談  2005年9月 5日 更新

長年にわたって無断使用されている土地

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Q.

 私の妻の実家は、現在事情がございまして空き家になっています。その土地の一部に、近所のAさんが荷物やを置き、無断使用をしています。年に3度ほど帰省した際、注意するのですが、数ヵ月後、帰ってみると、また同じ状況です。
 その土地は以前、Aさんが所有していたのですが、競売にかけられるとの話を聞いて、妻の父親が買い取ったと聞いております。5年ほど後、Aさんから、お金に余裕が出来たので、問題の土地を売ってくれとの話がございましたが、こちらの事情で妻がお断りしました。それから現在の状況が続いております。
 近所の方なので、大層な揉め事にはしたくはありません。また、一番の懸念は、長年他人の土地を使用していると、最終的にその土地はその人の所有物になると聞いたことがあるので、私たちの土地がAさんに取られてしまわないか、ということです。
 何か、良い解決方法などがございましたら、教えてください。

(30代:男性)

A.

 他人の土地を許可なく占有する行為は、所有権を侵害する行為となり、不法行為(民法709条)にあたります。不法行為をした者は、その行為によって生じた損害を賠償しなければなりません。
 本件では、土地の賃料ないし使用料相当額が「損害」にあたりますし、また、無断使用によって建物、植木などが傷つけば、それらも損害として賠償請求することができます。

 ご近所の方に対し、損害賠償の請求などするのは憚(はばか)られるでしょう。しかし、放置しておけば、あとになって、「好きなように使ってよいと言われている」(使用貸借の主張)、「貸してもらっている」(賃貸借の主張)、などと思わぬことを言い出されるのがオチなのです。「ご近所だから大層なことにしたくない」というお気持ちは分かりますが、一度は(後々、証拠となるような方法で)権利主張しておかれることをお勧めします。
 一番良いと思われるのは、内容証明郵便を出すことでしょう。この方法なら、直接顔を合わすこともありませんし、後に紛争となったときの証拠ともなります。
 内容証明には、(1) 今まで無断使用に対して何度も口頭で注意してきた経緯、(2) この後また同じ行為があれば法的な手段を取らざるを得ない、ことを書いて、郵送します。

 なお、心配されている時効取得についてですが、Aさんが土地を時効取得する可能性は、今のところありません。
 所有権を時効取得するには、所有の意思をもって(自主占有)、占有の開始において他人の所有物であることを知らず、かつ、その知らないことに過失がなく、10年経過したこと(民法162条2項)、知っている場合は20年経過することが必要です(1項)。しかし、Aさんの「占有」は、そもそも自主占有とはいえないからです。

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