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なっとく法律相談  2005年10月24日 更新

夫の浮気相手が妊娠。認知に条件をつけることはできる?

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Q.

 夫の浮気相手が妊娠しました。夫によれば、会ったのは2~3回で、肉体関係は一度しか持っていない、とのことです。夫が妊娠を知ったときには、もう中絶は不可能な時期でした。相手は「産むつもりなので認知してほしい」と電話で要求してきたのです。
 本当に夫の子なら、認知を拒絶することはできないのでしょうか?
 もし拒絶できないのなら、「認知後、養育費などの支払い請求は一切しない、今後連絡は絶対にしない」等の約束をさせたいのですが、可能でしょうか?

(30代:女性)

A.

 たとえ父が自分から認知しようとしないときでも、子は、認知の訴えを起こすことができます(強制認知民法787条)。
 この訴えが認められると、父と子の間に、法律上の親子関係が形成されます。すなわち、父は子の出生のときに遡って、子の父であったことになるのです。

 親には、未成熟子に対する扶養義務があります。この扶養義務は、親子であることの本質として認められる義務であるため、その程度は、原則として、相手方の生活を自己の生活の一部として自己と同程度の水準まで扶養する義務(生活保持義務)とされています。少し分かりにくい表現ですが、「自分の生活に余裕があれば仕送りすればいい」等という性質のものではない、というイメージです。実際には、当事者の協議や家庭裁判所の調停によって、金額や支払方法が決定されます。
 婚外子が認知されれば、法律上も親子であることが確定しますから、子は父に手厚い扶養を請求できる強い立場に立つことになります。また、非嫡出子として相続も取得します(嫡出子の相続分の2分の1。民法900条4号)。

 以上のような子の権利は、親子関係の確定によって認められる身分法上の権利ですから、当事者の話し合いによってその有無を決められるものではありません。したがって、認知することを条件に将来の扶養請求権を放棄させる契約は、たとえ契約書等を作成したとしても、無効です(民法90条)。
 判例は、婚外子の父がその母や子に金銭などを与え、その代わりに認知の訴えを起こさないことを約させる内容の契約も、同様の理由で認めていません。

 ただし、父と子がまさしく血縁上の親子であるということの証明責任は、相手方にあります。したがって、浮気相手の方は、あなたの夫と情交関係を持った事実等を証明しなければなりません。
 また、かかる訴えが提起された場合には、被告側は「不貞の抗弁(その女性が他の男性とも関係を持っていたという事実)」等を提出して争うことができます。

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