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なっとく法律相談  2005年11月 1日 更新

認知症気味の父がした契約は取り消せる?

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Q.

 父は、いわゆる認知症に近い状態です。本年4月頃、訪問販売で、「父の経験を担当者がヒアリングして本にまとめ、出来上がったらその書籍を購入する」という契約を交わしたようです。
 6ヵ月後、本が送られてくるとともに、代金の支払いを請求されました。父は契約について全く覚えておらず、契約書や申込証拠金の領収書も見あたりません。
 今からでも契約の解除ができるでしょうか。

(40代:男性)

A.

 訪問販売で「経験談をヒアリングして本にまとめる」契約を勧める行為は、高齢者を狙った悪質商法である可能性があります。
 もちろん、訪問販売というセールス方法自体が違法であるということはありません。しかし、「経験談を本にする」という申し向け内容から、お年寄りをターゲットとしている可能性が強いと思われます。

 本件では、特定商取引法により認められたクーリングオフ期間は過ぎてしまっていますが、消費者契約法の規定による契約の取り消しをすることが可能です。取り消しは追認(取消事由があることを知ってもなお、その契約の継続を積極的に認めること)をすることができるときから6ヵ月間、契約締結のときから5年間です。(消費者契約法7条1項)
 ただし、契約の取り消しについて相手方と争いになった場合は、消費者側において取消事由があったことを証明しなければいけません。したがって、紛失したという資料、契約書類をもう一度探してみましょう。また、取り消し後は、双方とも契約がなかった状態に戻す義務を負います。業者は受け取った申込証拠金を返し、こちらは送られてきた本を返さなければなりません。
 また、お父さんが認知症に近い状態であるとすると、契約時に行為能力が欠けていたとして、契約の無効を主張する方法も考えられます。
 いずれの方法をとる場合も、内容証明郵便等を利用して、こちらの意思を早く確実に伝えることが必要です。

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