トップページ > なっとく法律相談 > 間違って郵便物を配送した郵便局を訴えたい!
なっとく法律相談 2005年11月 7日 更新
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今年の5月に前妻と離婚、その1ヶ月後に再婚しました。前妻には、折を見て話そうと考えていました。
ところが先日、前妻から「再婚していたの?」と連絡がありした。なぜ知ったのか聞くと、現在の妻宛の「課税所得控除証明書」が前妻宅に誤転送されためということが分かりました。再婚の事実を知らなかった前妻はショックを受け、養育費のアップ等を要求してきました。
誤転送した郵便局へ連絡すると、副局長が来ましたが、「普通郵便は損害賠償の対象ではない」等と言い訳し、お詫びの「手ぬぐい」を出して謝るだけ。その後、局長とも談判しましたが、最後には「裁判で主張してくれ」という対応。「郵政公社が相手になる」と言われました。
この失礼な局長を訴えたいのですが、可能でしょうか?
(30代:男性)
公務員が、その職務を行うについて、故意または過失によって違法に他人に損害を与えたときは、国または公共団体が賠償責任を負います(国家賠償法1条)。
郵便局員は国家公務員であり、郵便の配達はその職務にあたるので、故意・過失によって損害が発生したときは、国がその賠償をしなくてはなりません。また、謝りに来た局長が職務上不法行為を行ったといえる場合も同様です。
ところで、郵便物の誤配や遅配などで生じた利用者の損害について、従来、国の賠償責任はかなり制限されたものでした。
しかし、平成14年、最高裁判所が国家賠償責任を限定した(旧)郵便法の一部を「違憲」と判断したことを受け、同法は一部が改正され、主観的要件が緩和されることによって損害賠償の範囲も広げられました。
けれども、それは書留や小包等の「記録郵便物」に関してであり、謝りに来た副局長が主張するように、普通郵便の誤配は賠償の範囲外に置かれています。もちろん、普通郵便が誤配された場合には、どんなに深刻な損害が発生しようと全く賠償の責を負わない、との趣旨ではないでしょう。しかし、賠償責任が認められるとしても、ごく限定された場合であると考えられるのです。
今回、あなたが被った損害について、国(郵政公社)を相手に訴えを起こしたとしても、残念ながら、誤配によって生じた損害であるとは評価されず、請求は認容されないでしょう。賠償請求が認められるケースとしては、例えば、書留郵便の誤配により裁判所に出頭する機会を失し、その結果裁判において不利を被った場合、差押えに失敗し債権が回収できなかった場合などが考えられます。
次に、私人としての局長を訴えられるか否かは、局長が不法行為を行ったといえるか(民法709条)が問題となります。
今回の事情の下で請求が認容されるためには、単に失礼な態度を取ったというくらいでは、難しいでしょう。刑法上の名誉毀損罪(刑法230条)、侮辱罪(刑法231条)あるいは強要罪(刑法223条)に該当するような態様までが必要とされると考えます。
集計期間: 2008年8月24日-8月30日