トップページ > なっとく法律相談 > 盗難の証拠がなくても被害届を出せる?
なっとく法律相談 2005年11月29日 更新
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父と母はかなり歳を取っているため(78歳と74歳)、掃除・洗濯・食器の片付け等を60歳くらいのホームヘルパーに頼んでおりました。
今年の夏の終わり頃、母と小生が墓の改葬をするために郷里に出かけているとき、父が一人で留守番することになりました。ところが、その間に、封筒に入れた現金3100ドルがなくなったのです。
ホームヘルパーの人は、他の仕事が忙しくなったとのことで、10月末、突然辞めてしまいました。名前も住所も電話番号もわかっているのですが、証拠がないので警察にも届けられないでおります。
息子としては、両親の老後の生活費なのでなんとか取り返したいのですが、どのように対応すればよいのか悩んでおります。アドバイスを宜しくお願いいたします。
(40代:男性)
そのヘルパーが現金を盗んだ証拠がないとしても、あなたとお母様が留守をしている間に現金がなくなっており、あなたのお父様がその現金を費消した事実がないということであれば、その件について警察に被害届を出すべきです。確実な証拠がないという理由で被害届を出すのをためらうことはないのです。
しかし、注意しなければならないことがあります。
まず、「誰が犯人であるか」ということを、軽々に口にしてはいけないということです。盗難事件の犯人(の疑いがある)という事実は当人の名誉を毀損する行為であり、不法行為責任(民法709条)を追及されて訴えられる可能性があります。逆に、あなたの方が刑事責任を問われることもあります。
次に、犯人を捜すのは、あくまで警察と検察の役目であるということです。わが国の刑事訴訟法は、私人に犯罪捜査の権限を与えていません。私人が各々疑わしい人物を追及し始めたら、かえって秩序が乱れてしまいます。
「絶対にこの人物が盗んだのだ」と思っても、盗まれたものを自分で取り返す行為は許されません(自力救済の禁止)。被害届を出せば、警察は法律の規定に基づいて、捜査を開始してくれます。犯人の人権も、法によって守られなければならないからです。
集計期間: 2008年6月22日-6月28日
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