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なっとく法律相談  2005年12月26日 更新

払いすぎた料金、返してもらえないの?(不当利得)

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Q.

 先日買い物をした際、送料の210円分、過払いしてしまいました。メールで返金してもらいたい旨連絡したところ、「店まで取りに来てほしい。振り込みで返金する場合は手数料を差し引く」というのです。「お金の所有権はあなたにあるのだから、返して欲しければ自分で取りに来るか、手数料を負担するのが筋だろう」と云われました。
 買い手が金額の確認をしないのが悪いとは、納得できません。店側が「所有権云々」と法律用語を出してきたので、法律的にはどうなのかと思い相談させて頂きました。

(30代:女性)

A.

 買主が過払いをした場合、売主には、商品の代金と支払われた金額との差額を取得する正当な理由がありません。このように法律上の理由がない利益のことを、不当利得(ふとうりとく)といいます。
 不当利得の受益者は、その利益が残っている限度で、損失を受けた者に返還する義務を負います。損失を受けた者は、損失分を返還するよう、受益者に請求する権利を有します(民法703条)。これを不当利得返還請求権といいます。
 本件でいうと、店が受益者にあたりますから、店は210円を、それが残っている限度であなたに返還しなければなりません。
 「残っている限度で返還すればよい」という理由は、受益者が不当利得であると知らずに得てしまった場合には、自分のものとして使ってしまうことが考えられるからです。自分のものだと思って使ったのに返さなければならないのは酷なので、このように定められました。したがって、悪意の受益者(不当利得だと知っている者)には、このような制限はありません。それどころか、利得に利息をつけて返還しなければならないのです。
 本件では、相手が商人たる店であり、金額も210円と少ないことから、知らずに使ってしまったという言い訳はできないでしょう。

 では、この不当利得を返還するに必要な費用は、誰が負担するのでしょうか。たしかに、不当利得返還請求権はあなたにあります。しかし、そのことは、誰が費用を負担するかを決する根拠とはなりません。常識で考えても、正当な権利を行使するために余分の費用を負担しなければならないというのは不合理です。
 このような場合の弁済(支払い)は、「債権者の現在の住所においてしなければならない」ことになっています(民法484条)。
 不当利得返還請求権についてはあなたが債権者なので、店は、あなたの住所地において不当利得の210円を返還しなければなりません。もちろん、現実に住所地に赴く代わりに、振り込み手数料等を負担するなどの方法でもかまいません。すなわち、店が振り込み手数料を負担して、返還しなければならないことになります。

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