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なっとく法律相談  2006年1月23日 更新

伯父にだまされて相続放棄してしまった!泣き寝入りするしかないの?

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Q.

 3年前、祖父が亡くなりました。そのとき、伯父が「相続手続に必要なので判子を押してほしい」と言うので、父は何の疑いもなく押印しました。伯父は「判子代なので受け取って欲しい。遺産分割の手続等については後日改めて話しましょう」と100万円置いて帰っていきました。
 その後、何の連絡もないまま、9ヶ月経過しました。そこで父が連絡したところ「もう済んだことだ」と言って、取り合ってくれません。不審に思い、遺産目録を確認したところ、土地・建物の他アパートや相当額の定期預金もあることが判明、しかもそれら遺産の全てを伯父が相続したことになっていました。
 司法書士に相談したところ、「こういうものは6ヶ月以内に解決することになっているので、どうにもならない」ということでした。騙されて手続きが進められた場合でも相続について泣き寝入りとなってしまうのでしょうか?

(30代後半:男性)

A.

 「相続手続に必要だ」として押印した書類は、お父さんが本件遺産相続につき相続を放棄する旨のものだったと考えられます。
 相続放棄をした者は、その相続に関しては最初から相続人にならなかったものとみなされます(民法939条)。したがって、この書類により手続が進められれば、お父さんは本件相続財産に関して何の権利ももたないこととなります。

 しかし、お父さんは明らかに伯父さんに欺かれて押印しています。そこで、詐欺によるものとして、相続放棄を取消せないでしょうか。
 相続の放棄も意思表示ですから、意思表示の瑕疵を理由とする取消しの可能性はあります。しかし、取消権の行使期間は6ヶ月に制限されているのです(民法919条3項)。この趣旨は身分関係の早期安定にありますから、個人的にやむを得ない理由があっても、期限が過ぎてしまえばもはや取消すことはできません。

 では、錯誤を理由とする無効主張はどうでしょうか。
 相続放棄の意思表示にも錯誤規定(民法95条)は適用されます。しかし本件では、お父さんに重過失同条但書)が認定される可能性が高く、無効主張は認められないと思われます。

 残る手段としては、伯父に不法行為責任を追及して、相続できたはずの財産評価額を損害として賠償させることが考えられます(民法709条)。

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