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なっとく法律相談  2006年2月 7日 更新

自動販売機で取り忘れたお釣りは、誰のもの?

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Q.

 私の職場では切符の自動販売機を設置しているのですが、お釣りがいつも取り忘れられています。
 ところが、そのお釣りを回収し、生計を立てているホームレスの人がいるのです。毎日毎時間漁りに来るのですが、見張っているわけにもいかず、手のうちようがありません。
 警察にも相談に行きましたが、「現行犯逮捕なら軽犯罪法違反で処罰できる」というのみでした。
 なんとかお金に手を出せなくする方法はないでしょうか?

(20代:女性)

A.

 自動販売機に残されたお釣りは、通常は、取り忘れた客の所有にかかるものと考えられます。したがって、それを取る行為は窃盗となります(刑法235条)。
 ただし、誰のものでもない物(「無主物」といいます)は、窃盗罪など財産犯の客体とはなりません。つまり、無主物を取る行為は、窃盗にはならないのです。

 それなら、自動販売機に残されたお釣りは、元の所有者が放棄した無主物であるから、それを取って行っても窃盗とはならない、とは考えられないでしょうか。
 この点、元の所有者が所有権を放棄しても、全て無主物となるとは限らないと考えられています。例えば、ゴルフ場に放置されたロストボールは、たとえゴルファーが放棄したものであってもゴルフ場の所有物である、とした判例があります。
 それに従えば、自動販売機に残されたお釣りは、客が「お釣りはいらない」と考えて取らずに立ち去ったのだとしても、自動販売機の所有者・管理者の所有物であると考えられるのです。従って、それを持ち去る行為は、やはり窃盗となると考えられます。

 お釣を回収していく人たちは、「道に落ちている小銭を拾うのと同じ」、すなわち、何らかの罪になるとしても占有離脱物横領罪止まりだ、と考えているのかもしれません。
 しかし、お釣りはまだ自動販売機の受け出し口に残っているのですから、客、あるいは自動販売機の所有者・管理者の占有を離れたとはいえません。
 したがって、かかる行為は、やはり窃盗となると考えられます。

 防止する方法としては、自動販売機の所有者・管理者自身がお釣りを回収する、また窃盗にあたると張り紙などをし、注意を促す…などを試みられては如何でしょうか。

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